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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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「おはよ」
 かけられた声は、決して突然では無かったのに。少女は目を丸くして、驚いた顔をした。
 ぱちくり。何度も目を瞬かせて、確かめるように見つめてから、おずおずと、切り出す。
「その、服……」
「似合わないかなぁ?」
 ちょん、と袖を摘んで両手を緩く広げる男の様相は、羽織袴。
 丁度、揺れる袖をもじもじと重ねていた少女と、揃いになる着物姿。
「いつもは振袖だけど、今年はちょっと、頑張ってみました」
 ほら、一応ホストだし? などと冗談めかして笑う男に、少女はてててと歩み寄る。
 ほんの少し厚みのある下駄を履いている少女の目線がいつもより高くて。
 それでも、見上げてくる愛らしい瞳に、ほぅ、と和んだような笑みを零して。
「似合ってる。綺麗」
 口をついたのは、いつも告げる「可愛い」ではなく。
「ん、ありがと…ガルも、凄く似合ってて、カッコいい」
 返す少女が告げるのも、いつもと同じ「綺麗」ではなく。
 はにかみあってから、そ、と。手を差し出してみる。
 どちらからとは決まっていないけれど、今日は、男の方から。
 互いの袖の陰で緩く握りあって、からん。下駄を鳴らして並び歩く。
「あ。そうだそうだ、あけましておめでとう。今年も、宜しくね?」
「ん、おめでとう…私の、方こそ…宜しく…」
 冬の朝、新しい都市の始まりに、ほの温かい空気が、ふわりと滲んでいた。





カッコつけたいお年頃。
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 開口一番に尋ねた顔は、何故だか晴れ晴れとしていて。
 何故だか、腹が立って。思わず頭を小突いてやった。
 ふらりと歩いて、紛れて、隠れて。
 そのまま消えてしまおうかなんて、ほんの少しだけ思ったけれど。
 霧の中で見上げたそれが、まるで君みたいだって。
 それが、踵を返した理由。
 覚えていなくて、道が判らない。
 だからいつまで経っても辿り着けない、場所。

 ――覚えていたくなくて、道を忘れた。
 だから、いつまで経っても、辿り着けない、場所。
 それは空だけが覗ける絶好のスポット。
 ただぼんやりしたい時にはそこに転がり、描かれた青の中にゆらりと流れる白を、眺めていた。
 そんな場所ではあるが、周囲に何も無いわけではない。ただ単純に、色々な遮蔽物が多いだけの、街中だ。
 ――だからこそ、こんな光景も、覗くことができたりするのだ。
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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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