見上げて気が付いた。
そこは、見覚えの無い天井。

「おかえり」
　不意に向けられた、他愛のない挨拶が。

（平伏）

長く、関係者様各位にはご迷惑をおかけしておりましたが、落ち着き、ました。
落ち着いたと見せかけて色々ごろごろもだもだしているガルさんを、飴さんがうぜぇっつって蹴り飛ばしていたり、喪娘さんが面倒臭いって言って引っぱたいたりしている裏事情があったりなかったりするかもしれませんが。が。
よねんごしのかたおもいみのったどー。
って、素直に言ってしまう。

実らせる気が無かったんですけどね。とは。
ご本人様にも、一度は申した事ですが。
色々、キャラ的にもＰＬ的にも理由があってのことで。
どう、しようかなって。
どう、片付けようかなって。
わりとずっと、悩んでたりもしたって言う、今だから言えるあれそれ。
仕舞いきれると思っていた頃が、私にもありました。とか。
もういい加減諦めつけろよ馬鹿野郎。とか。
ガルさんと一緒にうだうだうだうだ。
誰でも良いから、彼女を幸せにして。って。思ってたけど。
その機会すらも、潰したのは私だから。
もうお前の事情なんてどうでも良いよ。お前が幸せにしろよ。って。
あれもこれもそれも、全部ぽーい。
罪悪感なのか、義務感なのか。
今はまだ、どこかにそんな心地があるけれど。
喪娘さんパワー。何かの間違いで今の現状があるのだとしても。
後悔は、しません。
責任は、取ります。
後悔なんて、させるものか。
もう、なかせないって。きめたんだ。きめたんだ。

報告ごと、一つ。
同居の彼らが知らないとは思っていないけれど、だからこそ、きちんと告げた。
ら。
「で？」
自分なりの吉報に対して、随分酷い言葉だと思った。

「部外者なら何を言っても良いと思ってるのか」
　聞いた言葉を繰り返して、緩く首を傾げた。
　そうして、自分を引きずり出した、女の背が、振り返るのを確かめてから。
「……だ、そうだけど」
　ご感想は？　そう、尋ねた。