忍者ブログ
TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
* admin *
[933]  [934]  [932]  [931]  [930]  [929]  [928]  [927]  [926]  [925]  [924
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「部外者なら何を言っても良いと思ってるのか」
 聞いた言葉を繰り返して、緩く首を傾げた。
 そうして、自分を引きずり出した、女の背が、振り返るのを確かめてから。
「……だ、そうだけど」
 ご感想は? そう、尋ねた。

+ + + + + + + + + +


「思ってなどいるものか」
 女は、笑う。くつり、口角を吊りあげて。
「だが、部外者でなければ言えぬとは、思っておるよ」
 感情移入はしていない。現実を客観的に眺めた結果、至った結論。
 それが、「気に入らない」だった。
「わしは結局、どちらの意見も、聞いてはおらぬだろう」
「話はしたけどな」
「そう。協力を仰いだ。二つ返事が返った。それが彼らの姿勢なのだとして、受け取った」
 そうして。
「事情を聴いた。縁のある者の言葉も聞いた。切実な感情も知った。それでも、変わらなかった。それが、彼らの姿勢なのだとして受け取った」
 傾げられたのと同じ方向に、傾げて。
 女はまた、喉を鳴らした。
「責めたとも。非難したとも。それが伝わったことを、わしは後悔などしておらんよ」

 ――だけれど。

「苦しい思いをしているあの子を、結局助けることが出来なかったことだけは、悔いているわ」
 どうして。どうして。
 愛しい我が子の苦しみを無視できるのだろう。
 どうして。どうして。
 周りが、それを享受するのだろう。
「……最後に、彼が受け取ってくれなかったら、私、あの村が嫌いになっていたかもしれない」
 彼から、なら。受け取るだろう。
 許す、とか。許さない、とか。そんなものはどうでも良い。
 何の罪のないあの子が、早く、早く、良くなりますように。
「……あんたの、それは」
 呆れた顔で、男は言う。
「一つも伝わってねーと思うけど」
 それを見て、女はまた、笑う。
「構わぬよ」
 それを嘆くようでは、「魔女」領主は務まらない。
 巡る機会があるのなら、何度でも足を運ぶだけ。



 だって、まだ。
 私は何にも、聞いていない。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可     
BACK HOME NEXT
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

メッセ登録してみました。
出現率は低率の予感ですがお気軽に
mai-maieb@hotmail.co.jp
登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です

ブログ内のイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権はキルフェPLに、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: 独り言と戯言と All Rights Reserved