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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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 ふらりと歩いて、紛れて、隠れて。
 そのまま消えてしまおうかなんて、ほんの少しだけ思ったけれど。
 霧の中で見上げたそれが、まるで君みたいだって。
 それが、踵を返した理由。

+ + + + + + + + + +
 馬鹿じゃないの。って。少し上ずった、涙声が、縋る。
 よしよしって頭を撫でて、ひらりと靡く絹蝶と、すらりとシックなスーツ越しにだって伝わってくる暖かさを楽しんだ。
 あぁ、心地いいなって、思わず零れた笑み。
「泣いてたの?」
「だ、誰が! ただ…ほら、先輩がこんな寒い中で迷子になったんじゃないかって、心配しただけだから!」
 言葉の内側に時々添えられるその呼称が、くすぐったい。
 どうして君は、そうやって真っ直ぐで、純粋で。
 ……あ、でも下心はあるんだっけ。なんて、ほわん、と微笑ましい顔をしてから、また手を引いた。
 さすがに、今度は置いてきぼりが怖いのか、先ほどよりも強く握り返された。
「なぁに、寂しいの?」
 からかってみても、もう随分と落ち着いたのだろう。照れと寒さで赤らんだ頬は、そのままだったけれど。つん、と澄ました顔は、しっかりと整った笑みを湛えていた。
「まさか。先輩が迷子にならないように、ね」
 なんなら腕を組んであげてもいいんだけど。付け加えられた一言に、ふぅん、と呟くような声で応えて。
「じゃぁ、あの木の下まで。エスコート、して?」
 繋いだままの手のひらを、目線の高さまで持ち上げて。
 ダンスの前に交わす会釈のように、ゆらり、淡紅を広げて、小首を傾げた。
 丸くなった瞳が、一瞬泳いで。それから、こほんと改まった咳払いとともに、きりりと引き締められる。
「俺でよければ、喜んで」
 笑みが深くなったのは、ふわりとよぎった霧が、誤魔化してくれただろうか。
 少し背の高い君を見上げて、ぴたりと身体を寄せて。
 吐く息の白さに、刺すような冬の冷気に、抗うように温もりを求めた。
「きれい、だよねぇ」
「あぁ、綺麗だな」
 真白い花を見上げる、真白な君をこそ、そうだと称したいところだけれど。
 多分それは、君の否定する言葉に掻き消されるだろうから、今日はおとなしく、飲み込んだ。
「ねぇ、後で暖かいところでお酒飲もう?」
 甘い果実酒を、ボトルに詰めて。きっともう既に醒め切った酔いを、もう一度。
「いいよ。潰れたら開放してあげる♪」
「あはは、多分俺、君より強いと思うけどー」
 今日だけ。今日だけ。
 この温もりに、溺れよう。




あ、そういえばよその子ごめんで一人称視点やんの初めてじゃね?
ていうかよその子ごめんやんの久しぶりすぎて飴花の癖が抜けてないだけかもしれない。
うむ、まぁ、リハビリリハビリ。偽シナ遅れててごめんなさい。(ここで言うか
お付き合い、ありがとうございました。
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無題
先輩、俺の方こそお付き合いありがと…(///)

やっぱニアって…凄くあったかいね。
セナ 2012/12/15(Sat) 編集
無題
改めてありがと。
意地悪しちゃって、ごめんね?(くすくす)

やっぱり、が、どこから出てきたのやらって思ったりもしてねー。
ふふ、でも、そっちもありがとね。
また、遊ぼ。
ガルデニア 2012/12/16(Sun) 編集
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飴と花
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花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
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