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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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黒い壁に、白い家具。
まぁるいテーブルでの、たのしいたのしいご対面。

+ + + + + + + + + +

「どうやったら、間違えずに生きていけるんだろう」
 独り言めいた台詞は、風に流れて、さらりと掻き消えた。
 はずなのに、砂塵めいたそれをわざわざ掻き集めて、一つ一つ並べ直して、黒は柔らかな吐息で吹き付けてくる。
「人は、間違えながら生きていくものよ?」
「婆様の受け売り?」
「そう。だけれど私もそう思っている」
 ちりちりと耳元でノイズを走らせるそれを、髪を耳にかける所作で、意味もなく払って。
 自嘲気味に笑う白に、黒は穏やかに微笑んだ。
「君は、何を間違えたの?」
「これ、かしら」
 示される、左手。目を剥けば、黒は愛おしげに薬指に口付け、笑う。
「愛しい思いそのものは、何の間違いでもないわ。だけれどおかしなことに、私は疫病神のまま、彼の傍をねだってしまったの。そんな事、許されるはずもないと、自覚の一つぐらいしていたはずなのに」
 くすくす。笑う口元から離れた指を、対の手でそっと包んで、胸元で抱きしめる。
 愛おしさを、慈しんで。くすんだ金の瞳が緩やかに伏せられた。
「贅沢が過ぎるのよ。こんな幸せを齎されるなんて、何かが罷り間違ったとしか、思えないじゃない」
「それは……なんとも、君らしい解釈だねぇ」
「だけれど私は、何一つ悔いてはいない」
 静かに、静かに。ほんのかすかな痛みだけを与える針を、刺す。
「例えそれが過ちで、間違いだったと咎められても、私は悔いることをしないし、手放す気もない」
 欲張りで、我侭なのだと。たおやかな口元が、鋭利に吊り上がる。
 その両端が、あまりにさりげなく、内側を抉る刃と化す。
 それでも、白は視線を逸らすことはしなかった。逸らすことを、黒が許していないと、思ったから。
「俺は……」
 くすんだ金色が、真っ直ぐに、答えを求めてくる。
「……俺は、悔いてるよ」
 瞬きを、一つ。
 あまりに長い間を開けて齎されたような所作に、ちくりと刺す意図を隠すことなく覗かせていた気配が、溶解した。
「そう」
 一言を告げた黒は、また、ぱちりと一つ、瞬いて。
「お茶、おかわり頂けるかしら」
 冷えた陶器のカップを掲げ、彼女は殊更幸福そうに、笑うのだった。
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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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