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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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 誕生日というものに、4年目にして、ようやく慣れてきた気がする。
 おめでとう、が、なんだかくすぐったくて、どこかの誰かさんじゃぁ無いけれど、逃げ出したいと思ったりもした。
 ……したところで逃げ果せることが出来ないなんてことは、それこそ、どこかの誰かさんを見ていてよく理解しているわけだけれど。
 だから、せめて、いつもどおりに振舞って。気のついてくれた誰かには、目一杯の、感謝を。
 そう、努めていた。とりあえず、つもりだけでも。


+ + + + + + + + + +


 ――小さな、音。
 一瞬だけ、目の前に居た人から視線を外す。
 聡いその人は、ほんのわずかの素振りでも、すぐに気付いてしまうけれど、変わらずに微笑んだまま、首を傾げるだけ。
 だから、ゆるりと首を振ってから、同じように微笑を返して、告げる。
「なんでもないよ」
 聞こえた小さな音は、それでも確かな、確かな、声。
 話を終えて、手を振り見送ったそのままの足で、ゆるり、ゆるり、路地を歩く。
 ゆるゆると、視線を巡らせながら。
 探しものは、思った形では見つからない。
 帰っちゃったのかな。時間も立ってるし、仕方が無いよね。なんて、首を傾げて、肩を竦めて。
 仕様が無いから、当初描いていたのとは違う形で、探した。
 目に留まったのは、炉端のゴミ箱。
「んー……」
 首を、傾げる。
 ゆっくりと歩み寄ってから、手を伸ばし……かけて、思い出したように借り物のスーツのジャケットを脱ぎ、シャツの袖を捲くって。
 改めて、手を突っ込んだ。
「んー……」
 先ほどから、同じ音しか零れない。
 思案。
 思案。
 ――苦笑。
「馬鹿な子」
 ぽん、ぽん、と。綺麗に包まれた包装紙から埃を払い、軽く、口付ける。
 聞こえたはずなのに見つからない姿。
 手にしていただろう物が放り込まれた様子のゴミ箱。
 全く違う他人から他人へと当てられたものだとは、何故だか思えなかったのは、多分、それなりに過剰な自意識のせい。
 少し厳しく当たりすぎたかな、と。思案の端でそんな考えが過ぎったけれど。
 ――けれど、態度を改める気には、なれなかった。
 瞳を薄らと細めて、ジャケットを拾い上げ、踵を返す。
 形のままの包みを掲げて、闇色の少女を思い描く。
 今度逢った時に尋ねる事にしよう。
「忘れ物を、した覚えはなぁい?」
 折れる気はないと告げた君なら、頷いてくれるでしょう?
 だからと言って、やり直させる気もないし、ずっと、この箱を開く気も、無いけれど。
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プロフィール
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飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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