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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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 その、一つ。
 目に見えて変わったそれに、思わず声を掛けていた。

+ + + + + + + + + +
「随分、伸びたねぇ」
「そうっすねー。気がついたらあっと言う間っす」
 さらり。白い髪を掬って、長さを確かめる。
 大体、肩に付くほど。帽子の下でちょんちょんと跳ねていた短髪から見れば、随分と、長くなった。
 きゅ、と。浚った髪の根元に、親指と人差し指で輪を作って、絞る。
 この辺りかな。心の中でだけ呟いて、若草色のリボンを結った。
 椅子に掛けている少女は、足をぶらぶらさせ、そわそわとしながらも、大人しくしていた。
 ――伸びた髪を見て、思わず、ねだったのだ。
 結わせて。と。
 快い承諾をくれた少女に、着物の袖からあれやこれと取り出しては見せて、けれど、何を使うとは言わないまま、髪を弄りだした。
「ちゃんと後で鏡見せてくださいねー?」
「えー、どうしよっかなぁ。鏡に見せる前に、皆に見せびらかしたい気もするなぁ」
 くすくすと笑いながら言えば、少女は唇を尖らせた振りをしながら、同じように笑う。
「手始めに、お隣さんに、っすか?」
 悪戯げな声に、一瞬、手が止まる。
 んー。曖昧な声を返しながら、編みこんだ髪の隙間に、向日葵の花を挿し込んで。
「どんな顔するだろう?」
「むしろ気付かないんじゃないっすかね!」
 けらけらと笑う度、リボンの先のガラス珠が揺れる。
 想像して、あぁ、と浮かんだ納得に、肩を竦めた。
「ありうるなぁ。それはそれでしてやったり感もあるような、悔しいような?」
「悔しいっすか?」
「驚かせたいじゃない」
 今度は、少女の方が納得したような声を零して。
 考えるように、小首を傾げる。
「それなら、別の意味で驚かせるとか?」
「じゃぁ、突撃しちゃう?」
 くるり。振り返った笑顔は、声と同じく、悪戯げ。
 合わせる自分の顔も、同じように、にんまりと笑っていたに違いない。

 数分後。
 突然の来訪者に頭を抱えた隣人が、少女を見つめて告げたのは――。











「つーかあんた、そんな髪長かったっけ」


だと思うよ。
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飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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