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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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 新年だし、着物を着て挨拶回りにでも行かないか。
 誘いをかけたのは男の方からだった。
 会話の最中に共通の知り合いの名前が出て、どうせ逢いに行くのなら、目一杯着飾って一緒に行こう、と。
 それに少女が返したのは、驚き。こくこくと繰り返し頷いての了承に、男はにっこりと微笑んだ。
「それじゃ、お着替えたーいむ。判らないところは、呼んでね?」
 店の一室を頼み込んで貸してもらい、ぐいぐい、着物と一緒に少女を押し込んだ男の顔は、ほんのちょっぴり、悪い顔をしていた。
 それから、小一時間後。
 少女が個室で悪戦苦闘している間に、男はすっかり準備を整えてしまったようで。
 鏡を見つめて髪を弄りなおしていると、あの、と控えめな声が聞こえてきた。
「た、たぶん、できたと思いますが……」
「本当? みーせて」
 ねだるように言いながら、ちょこちょこ、カーテンの前に歩み寄って。さっと開けば、着物姿の可愛らしい少女がお目見えした。
「苦しくなぁい? 大丈夫なら、髪もやっちゃおうか」
 恥ずかしいのか、俯いたままの少女に微笑みかけて、顔を上げるように促す。
 と。
「……ニア様、その、格好は……」
「え?」
 なぁに、とでも言いたげに小首を傾げたのは、振袖美人。
 少女と揃いの着物を纏い、華やかな簪にメイク。店では見ない、女の姿に、少女は一瞬、驚いた。
 驚いたけれど、よくよく見れば、その着物が、自分の着ているのと揃いである事に、気付く。
「お揃い。着てみたかったんだけど、駄目だった?」
「い、いいえ! …え、お揃……」
「そ。お、そ、ろ、い」
 ちらりと振り返った鏡には、紛れも無く揃いの着物を着た二人の姿。
 違う点といえば髪の色と、表情にある余裕の程度だろうか。
 にこにこと楽しげな男に対して、少女は真っ赤になっていて、ぎこちない。
「え、あの、本当にこれで……」
「さぁ、いこうか」
 年が明けようが女を纏おうが、男が意地悪なのに、変りは無かったけれど。
 引く手が優しく感じるのも、変らないような気がしていた。




お揃いって響き、良いよね。
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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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