忍者ブログ
TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
* admin *
[765]  [762]  [761]  [947]  [759]  [758]  [757]  [756]  [755]  [754]  [753
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 足を止め、思案して、踵を返して。
 軋む音一つ立てない扉を開いて覗き込めば、まるでそうするのを待っていたかのような視線が、微笑んだ。

+ + + + + + + + + +
 豪奢ではないながらも仕立ての良いソファは、それなりに馴染みを覚えた店内に、それこそしっくりと馴染んでいる。
 さりげなく設えられた備品の数々。落ち着いた雰囲気の部屋に、その姿は一種異様で。けれど、やっぱり馴染んでいた。
「一段落?」
 ソファにふわりと身を沈め、氷がからりと音を立てるグラスを掲げた男に、首を傾げて尋ねれば、緩い笑みが返される。
「おーぅ、可愛い姫さんたちの見送り済ませたとこだわ」
「ふふ、そっか。お疲れ様」
 楽しそうな貌につられたように微笑んで。ちら、と、手元のグラスを見やる。
「お酒?」
 向けられた視線を確かめるように、男の視線も手元に降りて。
 グラスと一緒に、戻ってきた。
「当ててみるか?」
 勉強中なんだろ? そう付け加えながら向けられた、どこか挑戦するのに似た表情に、思わず肩を竦めていた。
 向かい合う位置から、テーブルに手を付いて身を乗り出し、グラスの中身を見つめる。
 氷が入っている点で、少しは絞れるだろうか。色は、残念ながら未だそれだけで判別できるほど詳しくはなかった。
 もう少し、と、香りが届く程度まで近づいて。
「……あれ?」
 思わず呟いて、目を丸くしていた。
「ひょっとして、お酒じゃない?」
 アルコールの感覚が、見つからない。意外そうな声に、男は喉を鳴らして笑う。
「入ってっかどうかは、匂いじゃ判らねぇだろ」
 からん。かすかに揺れたグラスの中で、氷が告げる。
 飲め、と。窺いではない、強要。
 さりげないそれに、笑みを深めて。グラスを持つ手に手を添えて、淵に一度、口付ける。
 それから、ほんの少しを口に含んで、ゆっくりと味を確かめてから、喉に落とし。
「……リンゴジュース?」
 ゆるりと離した手で口元を押さえ、眉を潜めて、ぽつり、呟いた。
 帰ってくるのは、堪りかねたような笑い声。低音が繰り返し奏でる音を、幾らか耳に通してから、ことり、小首を傾げて答えあわせを促すと。
 良く出来ましたと、口元だけで囁かれた。
「意外だろ?」
「すっごく意外」
「ハハッ、俺だってたまには健全に生きてるっつぅな」
 口角を吊り上げ、一気に飲み干し空になったグラスが、テーブルの上で、氷の囀りとは違う澄んだ音を立てる。
 ほんの、一瞬だけ。余韻が残る程度に降りた沈黙も、さてと切り出した男の声で、掻き消えて。
 立ち上がり、スーツをさらりと身に纏い、かすかに引き締めた顔をするまでをじっと見つめてから、へらりと、テーブルに手を付いたままの姿勢で、見上げて笑った。
「また今度、デートしよ」
 また、こんど。おしごとぬきで、あそぼうよ。
 父親の休日を待ち侘びる子供のような顔をしていたのだろう。大きな手のひらが、ぽふり、頭を撫でて。
「んーじゃぁ、次は何して遊ぶか、考えとけよ?」
 その手をそのままひらりと振って、仕事へ向かう背を見つめて。
 ようやっと、先の彼と向かい合う位置に腰を下ろすと、膝の上に肘を突いて、思案する。
 今度は何して、遊ぼうか。






なにしてあそぼっか。
いつぞやはイベシナ後一緒ありがとうございましたをこめて。
まぁ例によって例のごとく、誰とは言わん。察しろ←
オンオフの切り替えって、いいよねっていうお話!
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可     
BACK HOME NEXT
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

メッセ登録してみました。
出現率は低率の予感ですがお気軽に
mai-maieb@hotmail.co.jp
登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です

ブログ内のイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権はキルフェPLに、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: 独り言と戯言と All Rights Reserved