「あーぁ、本気で寝ちゃったよ」
くすくす、笑いながら、長く鋭利な爪の先で、傷つけないよう慎重に、さらりと零れる髪を絡め取り遊ぶ。
黒の隙間からちらちら金が覗いては隠れるのを満足げに見つめてから、そっと、覗き込むように首を傾げた。
そこにあるのは、慈しみ。愛らしいなと、ただただ、男は笑みを湛えていた。
――なかなか気持ちいいでしょ、これ。
もふ、と、白の体毛に包まれた左腕。戦いの時意外は滅多と見せない――とは言いつつも、求められれば割と簡単に差し出していた魔獣の腕。
少女はそれを、枕として貸せと要求してきた。
代わりに、それなりの格好をしてやると、告げて。
それなりとは果たしてどんな格好だろう。思案に返されたのは、醒めるような青の、纏。
胸元の白から裾にかけて空色へと色を変える『翼』の装束は、誕生日に少女に贈ったドレスだった。
「…………わぁ」
「な、なんだよ、似合わ無ぇとか思ってンのか?」
「んーん。逆。すっごく似合ってるから、嬉しくて」
へらり。帽子の影で、子供のような笑みを浮かべれば、着慣れぬドレス姿が恥ずかしいのか、薄らと頬に朱をさした彼女は少し気まずげに視線を逸らした。
「そうか……」
けれど、呟いた口元が、微笑んでいたから。
喜んで貰えたんだと、素直に、嬉しくて。思いついたままに、抱きしめた。
「ちょ、お、おい!」
「約束の腕枕。君がそんなに素敵な姿で強請ってくれるんだから、俺もちゃんと持て成さないと駄目かなぁって」
顕現した魔獣の力が、少女の細い体を包み込んで。ふわり、軽々と抱き上げた。
「眠るのなら、褥までご案内いたしましょう、お姫様?」
暴れだそうとするのを笑みで制すれば、怒鳴りかけた少女は黙り、唸り、俯いて、顔を埋めた。
そうして、赤みの残ったままの顔で、けれど瞳だけは子供のように、柔らかな腕の感触を楽しんでいた。
「なかなか気持ちいいでしょ、これ」
本当は、覗き込んで感想を伺うくらいは、しようと思っていたけれど。
何気なく尋ねた問いかけに、うん、と小さく頷くだけの声が聞こえて、やめた。
自分にとっての彼女は、いつまでも真っ直ぐで大きくて、どこまでも無垢なままだから。
だから、決めていた。
「……おやすみ」
眠りの淵で零れた言葉は、要らない。
例えばそれが、彼女の素顔なのだとしても。
彼女自身が吐き出すまでは、知らないままで居ようと、決めていた。
しぃ――。
唇の前に立てられた人の指が、静寂を導く。
対の腕は獣の形で、眠る少女を触れずに撫でる。
口元に描かれた弧の笑みは、帽子の影でひそりと光る瞳と相まって、一つの言葉を織り上げた。
邪魔、しないでよ。
それが誰のための言葉なのか、判るのは彼自身と、居るとも知れない神のみだった。
つづる絵師
^p^
いまさら感半端ないころになっての全力の捏造である←
いや、何かコンセプトはそんな感じだった気がする!(気がするだけ
ガルさん視点のよその子ごめんはなんつーかあれだね、あれだ。
わけがわからないよ!
いや、抽象的だなって自分でも思ってる。知ってる。
けどまぁ、うんまぁ、ガルさんだしね。
と、それはそれとして。うへへ、燕さんとのドレスピンができました。
何がメインってドレス姿の燕さんですよ。
誕生日プレゼントのドレスを纏う燕さんですよ!!
男性が女性に下着を送るのは脱がしたいためだと聞きますが、服を贈るのは着てほしいためですよね!!
ていうか私が着てほしかった。ドレスでクレルと並んで欲しかったんだ。
ドレスはね、なんとなくこんなイメージっていうのはプレゼント作ったときから考えてて、発注文もほとんどそればっかり書いてたんですが、
やぁもう見事だね!素敵な晴天カラー。
はい、お気づきかと思いますがあのドレス、晴天とかけて名づけてます。
ので、青が多めだと嬉しいなっていうイメージでおりました。
でも胸元は翼に抱きしめられてる感じだから白が良いのよ。ということで、グラデ。
この翼に抱きしめられてる感じって私しか判らん気がしてたけど、通じた!!良かった!!
かわういのう、かわういのう燕さん。
そしてガルさんがまー意地の悪い顔してらっしゃいますね!
いつもどおりですか。そうですか。
うん、まぁ、うん、クレルは殊更そんな感じですよね。
底意地の悪さはうちの子の中でもダントツですからね!自慢にもならん!
受理いただけたのが全身図納品される前だったので、クレルの衣装は概ね適当です。本気でドレスに字数割き過ぎたww
獣腕もいい感じにごつくて、美女と野獣な感じが出てる。
うへへ、すごくしゅてき(*´艸`)
改めましてとなりますが、つづる絵師、リヴァルさん、駄鳥さん、ありがとうございましたっ!
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花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋
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