忍者ブログ
TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
* admin *
[625]  [624]  [621]  [620]  [623]  [637]  [619]  [618]  [617]  [616]  [641
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 それはきっと、立ち並ぶ屋台のせいだと。
 思いながら吐き出した吐息は、白く、白く、立ち昇った。

+ + + + + + + + + +

 木製のマグに注がれた、香ばしいオニオンスープをこくりと飲み下して、少女は満足げに息をつく。
 迷路のような屋台街、ふらふらとどこにでも歩いていく背中を追いかけては、襟首掴んで引き止めて。
 それでも大人しくはしない少女を、制し続けてきた男もまた、咎めはしなかった。
「あ、あ、いいにおーい」
 ふらふらふら。すん、と鼻を鳴らして漂う香りを味わった少女は、その出所を探すように道を逸れる。
 ちら、と道の先に屋台があるのを見とめ、小さく息をついた男はその背をゆるりと追いかける。
 いらっしゃい。気さくな様子の婦人がくるり、鍋を掻き回せば、殻ごとの貝がスープの海で踊る。
 それを覗き込み、空っぽのマグをわくわくの瞳で差し出す少女に微笑みかける。
「はい、おまたせ」
 差し出されたカップを受け取り、わぁ、と声をあげた少女は、ぱたぱた、まだ追いついてこない男を手招いて、ずい、とマグを差し出した。
「おにーさん、これもおいしそう!」
 味見、どうぞ。笑顔で告げる少女に、男はマグを押し返す。
「あんたが貰ったもんだ、あんたが飲めばいいだろ」
「おや、それなら彼氏さんにも注いであげようかい?」
 ご婦人の完全善意の提案に、固まる男。
 ぱちくりと目を瞬かせた少女は、微笑ましげな顔をする婦人を振り返り、それから、男を見上げて。
「……かれし?」
「に、なった覚えはねーぞ」
 頭痛を覚えた額を軽く指先で押さえた男をやはり見上げ、少女はにへらと破顔した。
「おにーさんはおにーさんで、今日は一緒にスープデートー」
「デートとか最高に愉快なこと言ってんじゃねーよ。保護者だ保護者」
「えへへー。でもでもドリーは、でーときぶーん」
 じゃれ付くように腕を組んでくる少女を振り払おうとして、けれど目に入ったスープに、諦めて。
 そうして、抑える気もない盛大なため息をついて、少女の額を小突いた。
「冷めねー内に、さっさと食えよ」
 我ながら甘い保護者だと、胸中で呟いて。
「はぁーい」
 けれど、幸せそうな笑顔には、それでもいいかと、思えて。
 ほぅ、と吐き出した吐息が、心なしか白さを潜めたような気配に。
 あぁ、暖かいと。口元だけで呟いた。





-------------------
ほだされまくりの飴さん。
結構なきゃっきゃうふふ具合だったなって、もちゃもちゃしたんだ(*´艸`)(日本語喋れ

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可     
BACK HOME NEXT
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

メッセ登録してみました。
出現率は低率の予感ですがお気軽に
mai-maieb@hotmail.co.jp
登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です

ブログ内のイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権はキルフェPLに、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: 独り言と戯言と All Rights Reserved