TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。
現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
【諸注意的な】
この記事はギガンティア探索時に実際に起こった流れを元に製作した暇人で頭のかわいそうな背後の自己満足です。
依頼形式を装った偽りプレイ。
アビリティ等に多大な脚色有り。
かっこよければいいかな判定。
他のPCの名前が明記されますが、皆様からの行動示唆等は一切いただいておりません。
全てはキルフェPLの妄想(とAI)によって構築されています。
【オープニング】
きっかけはある少女――少年の、一言。
「みんなでギガンティア行きましょ☆」
たまたま、客間にあたる場所に集まっていた者らが、声に応じて振り返る。が、すぐに興味をなくしたように、逸らされた。
「あらら……。もう、みんな冷たいのね!」
憤慨しているような素振りではいるが、表情に怒りや嘆きはなく。見やり、苦笑がちに身を乗り出して、膨らんだ頬を突く青年。
「あー……まさか断るんなら一人で行くーとか、言わねえよな?」
「それでついてきてくれるんなら、言っちゃうかも☆」
「ったく……仕方ねえから、付き合ってやるよ」
お茶目にウインクをして見せた少年の額を小突いて、けれどどこか楽しげに、青年は残りの者を振り返る。
「ついでだし、お前らもどうよ」
冷めた瞳がちらりと一瞥してくる。ゆっくりと伏せられ、次いで、零れる溜息。
仕方がない。青年と同じ言葉を、態度で告げて。男はやれやれと言うように立ち上がる。
期待に似たまなざしが二つ、注がれているのに気づいたのだろう。我関せずといった様子でいた男も、一度は、疎ましげに睨み付けて。けれど、諦めたように肩を竦める。
「付き合えってんなら、後で文句言うんじゃねーぞ」
はっきりとしないながらも、それが了承であることを理解しているから。少年は満面の笑みを浮かべて、握った拳を振り上げた。
「それじゃ、張り切って行きましょ~♪」
この記事はギガンティア探索時に実際に起こった流れを元に製作した暇人で頭のかわいそうな背後の自己満足です。
依頼形式を装った偽りプレイ。
アビリティ等に多大な脚色有り。
かっこよければいいかな判定。
他のPCの名前が明記されますが、皆様からの行動示唆等は一切いただいておりません。
全てはキルフェPLの妄想(とAI)によって構築されています。
【オープニング】
きっかけはある少女――少年の、一言。
「みんなでギガンティア行きましょ☆」
たまたま、客間にあたる場所に集まっていた者らが、声に応じて振り返る。が、すぐに興味をなくしたように、逸らされた。
「あらら……。もう、みんな冷たいのね!」
憤慨しているような素振りではいるが、表情に怒りや嘆きはなく。見やり、苦笑がちに身を乗り出して、膨らんだ頬を突く青年。
「あー……まさか断るんなら一人で行くーとか、言わねえよな?」
「それでついてきてくれるんなら、言っちゃうかも☆」
「ったく……仕方ねえから、付き合ってやるよ」
お茶目にウインクをして見せた少年の額を小突いて、けれどどこか楽しげに、青年は残りの者を振り返る。
「ついでだし、お前らもどうよ」
冷めた瞳がちらりと一瞥してくる。ゆっくりと伏せられ、次いで、零れる溜息。
仕方がない。青年と同じ言葉を、態度で告げて。男はやれやれと言うように立ち上がる。
期待に似たまなざしが二つ、注がれているのに気づいたのだろう。我関せずといった様子でいた男も、一度は、疎ましげに睨み付けて。けれど、諦めたように肩を竦める。
「付き合えってんなら、後で文句言うんじゃねーぞ」
はっきりとしないながらも、それが了承であることを理解しているから。少年は満面の笑みを浮かべて、握った拳を振り上げた。
「それじゃ、張り切って行きましょ~♪」
+ + + + + + + + + +
廃墟であったはずの街、その地下にて。
不自然なほどに広大な鍾乳洞を経て辿り着いた神殿内部では、とある……たまたま、居ついた場所が同じという共通点を持ったエンドブレイカーたちが探索を行っていた。
そして、部屋を覗き、敵を排除し、一層立派に設えられた階段を駆け上がったところに、それはあった。
人の脳髄。それを、巨大化させたような、ただ不気味な印象を植え付ける物体。
「うーわ……趣味悪ぃ……」
拗ねるのにも似た表情で眉を寄せ、ぼそり、呟いたのはキーストア。その声に反応したわけではあるまいが、部屋の先客たる黒服の群れが、一斉にこちらを振り返ってはその姿を異形へと転じていく。
「奴が、リーダーか……」
見上げるほどの巨体。獣と呼べばそれだけで足りる体躯に、瞳を眇めてこぼすユーリス。うわぁ、と、感嘆と嫌悪を混ぜたようなミヤビの声が、緩やかに響き、掻き消えて。
「まぁ……やるしか、ねーわな」
臨戦態勢の双方の中、先陣を切ったのは、キルフェ。
手っ取り早く、最も近い位置にいた猪のバルバを見据えると、振りかざしたトンファーを叩きつける。
だが、先手の優位は、一瞬で費える。他の者らが続くより早く、ボアヘッドはを大剣振りかざし、大きく薙ぎ払った。
横薙ぎの一撃は、キルフェを壁に叩きつける。
「かは……っ」
口元から飴が零れ、ずしりと重く音を響かせる足に踏み砕かれた。顰めた顔を上げ、咄嗟にトンファーを掲げれば、目掛け、爪が振り下ろされた。
追討ちをかけるかのごとく群がる敵軍に、ユーリスは眉を寄せ舌打ちと共に駆け出した。ボアヘッドに狙いを定めながらも、素早い体捌きで残像を生み出し。さながら分身のごとく、周囲の敵をも打ち据える。
その一撃は敵を傷つけると同時に、敵の視線をキルフェから引き剥がした。ユーリスに程近い位置で陣を取っていた騎士は、緩慢に彼の姿を捉えると、鎧を鳴らして肉薄してくる。
ちら、ちら。前衛に走った二人の姿をそれぞれに見やる、明るい緑の瞳。
トンファーを握り締める腕に赤いものが伝うのを遠目に見止めつつ、あれだけの集中攻撃を受けてその程度ですんだことに安堵の息を漏らしたミヤビは、ひゅん、と鞭をしならせ、同じ武器を手にするキーストアを振り返った。
「キースちゃん、ちょっと行ってくるわね♪」
「は……? おい、ミヤ……」
紡ぎ、引き止めるより早く。ミヤビは前線に繰り出すと、クワガタ人に鞭を打ち付ける。
空気を弾く音が広い堂内に響き渡り、バルバは歪な悲鳴をあげて倒れた。
「ほら、ここにもいるわよ」
悠々とした表情で、煽るようにぐるり、敵を一瞥したミヤビに、ユーリスは一瞬、険しかった表情を緩めたが、即座にそれを引き締め、レイピアを構えた。
甲高い音が響き、剣と細剣がかすかな火花を散らす。バルバを仕留めた安堵感を払うようなそれに目を剥いて、ミヤビは苦笑がちに鞭を構えなおした。
「ユーリちゃん、ありがと」
「無駄口を叩いている暇はないぞ」
うん、と頷く声は、彼自身にしか聞こえなかった。けれど、所作を見て捉え、キーストアは口角を吊り上げて笑う。
「あっちは、大丈夫みてえだな……」
するりと視線を滑らせれば、壁際、不機嫌に顰められた目と、合う。
「キルちゃーん。そろそろ反撃よろしく」
「……判ってるっつの」
彼の前に現れた黒猫が、その軽口に応えるように炎を打ち出し、目の前の敵を包む。
背後からの一撃によって生じた隙に乗じ、キルフェは褐色の肥えた腹へ蹴りを放った。
凌いで、凌いで、最後に貰った斧の一撃。そのお返しとばかりに、中空で旋回した足が肩口にめり込む。
だが、立て続けの攻撃に、体は傾げど、倒れない。タフな奴だと辟易し、すぐさま繰り出されるであろう反撃に身構えていると、一際目立つ巨体が、つぃ、と視線を翻すのが、目に留まる。
「くそ……助かってんのか、邪魔してんのか、判りゃしねー……」
苛立ったように呟いて、ちらり、視線を流す。やはり目の合った彼は、頷くような素振りを見せ、巨体の行動を妨げるべく、再び星霊の召還を試みた。
刹那、眼前をよぎる、影。
「っ…ぁぐ……!」
遥か、後方。ぎょっとしたように目を瞠るキーストアの傍らの壁に、強かに叩き付けられたミヤビは、呻きながらも体を起こす。
「……おかえり」
「う~……ただいま」
派手に飛んで来たが大きなダメージが無い様子なのを見て取り、キーストアは肩を竦めながら視線を戻す。
先ほどと、同じように。レイピアが剣戟を逸らしてくれたおかげだろう。実にスマートなものだと喉を鳴らし、音を立てて鞭を打った。
ぴしっ、と小気味の良い音に反応したのは、彼の使役する星霊だけでなく。さするように背に触れていたミヤビもまた、スピリットを召還し、キーストアを経由する形で、旋回させた。
「さんきゅ……さぁ、Maria――やってやれ」
慈愛に満ちた囁きに、バルカンは尻尾をくるくると回し、火炎弾を連続で放つ。
一度や二度で朽ちるようなら、リーダーなどという位置には就き得まい。身を焼く炎を纏いながら、勢いを欠片とて落とさない獣の腕が振り上げられ、鋭い爪がユーリスの腕を抉る。
「くっ……」
歪められる表情。毒に侵される感覚に腕を引き、体を下がらせ、続けざまに振り抜かれた爪を回避したユーリスは、柄に血の滲んだレイピアを一度鞘に戻し、腰に帯びた太刀に手をかけた。
そうして、先ほどから立て続けに仲間を――冒険仲間を吹き飛ばしてくれている猪を横目に一瞥しつつ、再び、残像を生み出す素早い剣戟を繰り出す。
「まだ、慣れたものでもない、か……」
威力が足りないといわんばかりの台詞ではあるが、傍目には十分すぎる程の太刀捌き。血を噴出し、前のめりに倒れるボアヘッドを見とめ、感嘆するように、キーストアは肩を揺らした。
「はは……おっかねーの」
ぐるり、視線が、戦場を眺める。
こちらの成果はバルバが二体……と、数えた瞬間、痛快な蹴りが殺人鬼を張り倒した。一体加えたところで数の上で同等になった程度に過ぎないが、悪くはない。
――良くも、ないが。
あくまで良い方向に見たとして。敵の多くを『引き付けて』いるキルフェの状況は変わらず。動きを制限されているのだろう、スカイランナーお得意の跳躍を活かせないでいた。
リーダーとそのオマケを担う形でいるユーリスにしても、ここまで来る間のダメージが堪えている状況。かといって、再びミヤビを前に走らせるのは、気が引ける。
いかつい獣の前に出させるには、傍らの姿はあまりに儚く見えた。
「お前は、動くなよ」
疼く足を止める言葉に。ミヤビは、ぐっ、と唸って、拗ねたようにファルコンを呼び出す。
「キースちゃんも、ね」
「あー……俺は元から無理って判ってるし」
例えば、今は最も近くにいるキーストアを貫いては敵へと向かっていくこの星霊が、前の彼らに向けて放たれたなら、状況は変わるだろうか。
……例えば、キーストアがそのために前に出てみようものなら。前衛二人――特に短気な方――から、辛辣に罵倒されること請け合いだ。
「まぁ、そんな無茶を考える風にも、見えんか……」
敵を繰り返し引っ掻いていく星霊をちらと見て、ユーリスはふと呟く。
感覚の鈍り始めた利き腕をかすかに振ってみるが、いざという時、まともに動いてくれるかどうかは怪しい。心許なさのよぎる対の手で己の武器を握り、振り下ろされる剣を受け、流す。
振り払った、その眼前に。刃に良く似た爪の軌跡が、よぎった。
じくり、毒の蝕みに痛んだ腕は――やはり、動かない。
「――――っ!」
「ユーリちゃん!」
響き渡った悲鳴は、ミヤビのもの。
深く胸を抉られ、それでも踏みとどまったユーリスの足元に、ばたばたと雨が降るのにも似た音立てて、血が滴る。
後、一度でも。ほんの少し、撫でられる程度でさえ、倒れてしまいそうなのは、後ろに立つ者らにも、容易に見て取れた。
「キースちゃん、スピカ、スピカ!」
慌てたようにキーストアに縋るミヤビだが、薄ら、瞳を細めたキーストアは、応じない。
強がりか、意地か。ぼろぼろの癖に、と胸中で呟かれながらも膝を突くことをしない背は、冷めた色をしているはずなのに、どこか熱い。
回復は無用だと、言われているような――思い違いであれば実に滑稽な信頼が、そこにはあった。
彼の、そんな真っ直ぐな視線を見上げて。ミヤビは、それ以上の言葉を噤んだ。
大丈夫だよね。言い聞かせるように、声には出さずに囁いた唇を引き結び、縋りついた指を離した。
「大丈夫」
「……だろ」
鞭が、しなやかな音を立てて空気を裂き、床を打つ。続けざまの響きに応じて、彼らの星霊が、獣の巨躯を穿った。
一撃なら、まだ、防げる自信がある。
肩で大きく息をしながら、ユーリスは思案した。そう、一撃なら、と。挟まれるのに近い形で二体を相手取っている以上、どちらかは食らうことになるだろう。
そしてどちらかを選ぶなら――自然、威力の大きい方へと意識が傾いた。
繰り出される爪の一挙一動を細かに見据え、ほぼ全ての神経を注ぐ、傍らで。がしゃがしゃ、鎧を軋ませた仮面の騎士が、剣を振りかぶる。
けれど、それは、ユーリス目掛けて振り下ろされることは、なかった。
がっ、と。鈍い音を立てて、仮面の横っ面にトンファーがぶつけられ、そのまま、叩き割った。
直後、振り抜かれた獣の爪を、ユーリスは全霊を込めて受け止め、弾き返した。
彼と敵との間に割り込むように位置どったキルフェは、口の中に溜まった血を忌々しげに吐き捨てながら、振り返る。
「悪ぃ、遅れた」
「いや……そうでもない」
くつ、と、かすかに喉を鳴らしたユーリスの手元では、ばちばちと、雷が弾けている。自分を沈めていたやも知れぬ一撃を凌ぎきり、味方の姿を見止めたゆえか、余裕さえ垣間見える表情は、ほんの一瞬の笑みの後、淡白に落ち着いた。
「キルちゃんおそーい」
「わーってるっつの。逐一煩せーんだよてめぇは」
「キルちゃんこわ~い」
冗談めかした声に、もはや悲嘆じみた音はない。
こちらも痛手を負いながら、わずかずつ、溜め込んでやった敵のダメージは大きく。各々が、繰り出す一撃ごとに止めを意識していた。
決め手を浚ったのは、迸る雷。白い仮面に青白い光が吸い込まれ、爆ぜるように割れるのを、見届けて。
真っ先に喜びを露にしたミヤビは、旋回して戻ってきたスピリットを撫で、安堵の息を漏らす二人の下へ、駆けた。
「お疲れ様☆ 肩、貸そうか?」
「あんたじゃ届かねーだろーよ」
踏み砕かれた飴を思い出したのか、舌打ちし、懐から新しい飴を取り出しながら、キルフェはくつりと笑って見せた。
そんなやりとりに、けらけらと軽い声を上げながらのんびりと歩み寄り、キーストアも緩く腰を屈め、覗き込むような仕草をしてみせる。
「じゃあ、俺の貸すー?」
「死んでも借りねー」
「お前じゃなくてユーリスにだよ、ばぁーか」
けらけらと。笑う声に、何かが砕ける音がかすかに返る。
「まったく……君たちはいつも、騒がしいな」
君たち、と言いながらも、告げるわけではなく一人ごち、ユーリスは不気味な鼓動を続ける脳髄を見やった。
何をしていたのかは、判らない。試しに一太刀浴びせてみたが、止まるわけでもない。
これをどうにかするのは、またの機会と考えた方がよさそうだ。
「そんじゃまあ、帰りますかー」
「帰ったらキースちゃんのお茶飲みたい!」
のんびりと、はしゃいだ声が踵を返し。肩を竦めて続いた後に。奇妙な静寂だけが、取り残された。
言い訳!!!
キルフェが真っ先に突っ込んでって、壁にぶっ飛ばされたんですよ。
その後団長が駆けつけてくれるまでの間に結構敵の攻撃があって…!
あのときのクラッシュ率尋常じゃなかったww意地すぎるww
団長の残像剣に救われた。マジで。一度に4体とかやってくれたりしてね、本当、助かった!
団長がきて、男の娘も鞭でびしばし駆けつけてくれたんだけど、にっくきボアヘッド殴られて強制送還されてからは前出てこなかったの。危ないよ!めっ!
男の娘→にゃんこたんへのチャージ付与率が半端ない。一番近いからそりゃ対象は固定だろうけど、ほぼ毎回してくれる。
にゃんこたんは一度も回復してくれませんでした。
団長が毒貰ってボスの攻撃でクリティカルかよレベルなダメージ食らって、あと8とかもう本当クラッシュ以外生き残る手段ない状態だってのに回復してくれませんでした。
後一撃やばいー!ってとこで、キルフェ復活。攻撃対象変更。お前そのタイミング狙ってただろって言うくらいいいとこに出てきたww
そんな感じだったんだ!
あ。ターンは何ぼか省略してると思う。メモしてたわけじゃないんで、細かいとこまで覚えてない!←
これで4600文字くらいです!むふー。いい感じに纏まった。
苦情は本人からのみ受け付けます(。ノノ)
自己満!自己満!(逃
不自然なほどに広大な鍾乳洞を経て辿り着いた神殿内部では、とある……たまたま、居ついた場所が同じという共通点を持ったエンドブレイカーたちが探索を行っていた。
そして、部屋を覗き、敵を排除し、一層立派に設えられた階段を駆け上がったところに、それはあった。
人の脳髄。それを、巨大化させたような、ただ不気味な印象を植え付ける物体。
「うーわ……趣味悪ぃ……」
拗ねるのにも似た表情で眉を寄せ、ぼそり、呟いたのはキーストア。その声に反応したわけではあるまいが、部屋の先客たる黒服の群れが、一斉にこちらを振り返ってはその姿を異形へと転じていく。
「奴が、リーダーか……」
見上げるほどの巨体。獣と呼べばそれだけで足りる体躯に、瞳を眇めてこぼすユーリス。うわぁ、と、感嘆と嫌悪を混ぜたようなミヤビの声が、緩やかに響き、掻き消えて。
「まぁ……やるしか、ねーわな」
臨戦態勢の双方の中、先陣を切ったのは、キルフェ。
手っ取り早く、最も近い位置にいた猪のバルバを見据えると、振りかざしたトンファーを叩きつける。
だが、先手の優位は、一瞬で費える。他の者らが続くより早く、ボアヘッドはを大剣振りかざし、大きく薙ぎ払った。
横薙ぎの一撃は、キルフェを壁に叩きつける。
「かは……っ」
口元から飴が零れ、ずしりと重く音を響かせる足に踏み砕かれた。顰めた顔を上げ、咄嗟にトンファーを掲げれば、目掛け、爪が振り下ろされた。
追討ちをかけるかのごとく群がる敵軍に、ユーリスは眉を寄せ舌打ちと共に駆け出した。ボアヘッドに狙いを定めながらも、素早い体捌きで残像を生み出し。さながら分身のごとく、周囲の敵をも打ち据える。
その一撃は敵を傷つけると同時に、敵の視線をキルフェから引き剥がした。ユーリスに程近い位置で陣を取っていた騎士は、緩慢に彼の姿を捉えると、鎧を鳴らして肉薄してくる。
ちら、ちら。前衛に走った二人の姿をそれぞれに見やる、明るい緑の瞳。
トンファーを握り締める腕に赤いものが伝うのを遠目に見止めつつ、あれだけの集中攻撃を受けてその程度ですんだことに安堵の息を漏らしたミヤビは、ひゅん、と鞭をしならせ、同じ武器を手にするキーストアを振り返った。
「キースちゃん、ちょっと行ってくるわね♪」
「は……? おい、ミヤ……」
紡ぎ、引き止めるより早く。ミヤビは前線に繰り出すと、クワガタ人に鞭を打ち付ける。
空気を弾く音が広い堂内に響き渡り、バルバは歪な悲鳴をあげて倒れた。
「ほら、ここにもいるわよ」
悠々とした表情で、煽るようにぐるり、敵を一瞥したミヤビに、ユーリスは一瞬、険しかった表情を緩めたが、即座にそれを引き締め、レイピアを構えた。
甲高い音が響き、剣と細剣がかすかな火花を散らす。バルバを仕留めた安堵感を払うようなそれに目を剥いて、ミヤビは苦笑がちに鞭を構えなおした。
「ユーリちゃん、ありがと」
「無駄口を叩いている暇はないぞ」
うん、と頷く声は、彼自身にしか聞こえなかった。けれど、所作を見て捉え、キーストアは口角を吊り上げて笑う。
「あっちは、大丈夫みてえだな……」
するりと視線を滑らせれば、壁際、不機嫌に顰められた目と、合う。
「キルちゃーん。そろそろ反撃よろしく」
「……判ってるっつの」
彼の前に現れた黒猫が、その軽口に応えるように炎を打ち出し、目の前の敵を包む。
背後からの一撃によって生じた隙に乗じ、キルフェは褐色の肥えた腹へ蹴りを放った。
凌いで、凌いで、最後に貰った斧の一撃。そのお返しとばかりに、中空で旋回した足が肩口にめり込む。
だが、立て続けの攻撃に、体は傾げど、倒れない。タフな奴だと辟易し、すぐさま繰り出されるであろう反撃に身構えていると、一際目立つ巨体が、つぃ、と視線を翻すのが、目に留まる。
「くそ……助かってんのか、邪魔してんのか、判りゃしねー……」
苛立ったように呟いて、ちらり、視線を流す。やはり目の合った彼は、頷くような素振りを見せ、巨体の行動を妨げるべく、再び星霊の召還を試みた。
刹那、眼前をよぎる、影。
「っ…ぁぐ……!」
遥か、後方。ぎょっとしたように目を瞠るキーストアの傍らの壁に、強かに叩き付けられたミヤビは、呻きながらも体を起こす。
「……おかえり」
「う~……ただいま」
派手に飛んで来たが大きなダメージが無い様子なのを見て取り、キーストアは肩を竦めながら視線を戻す。
先ほどと、同じように。レイピアが剣戟を逸らしてくれたおかげだろう。実にスマートなものだと喉を鳴らし、音を立てて鞭を打った。
ぴしっ、と小気味の良い音に反応したのは、彼の使役する星霊だけでなく。さするように背に触れていたミヤビもまた、スピリットを召還し、キーストアを経由する形で、旋回させた。
「さんきゅ……さぁ、Maria――やってやれ」
慈愛に満ちた囁きに、バルカンは尻尾をくるくると回し、火炎弾を連続で放つ。
一度や二度で朽ちるようなら、リーダーなどという位置には就き得まい。身を焼く炎を纏いながら、勢いを欠片とて落とさない獣の腕が振り上げられ、鋭い爪がユーリスの腕を抉る。
「くっ……」
歪められる表情。毒に侵される感覚に腕を引き、体を下がらせ、続けざまに振り抜かれた爪を回避したユーリスは、柄に血の滲んだレイピアを一度鞘に戻し、腰に帯びた太刀に手をかけた。
そうして、先ほどから立て続けに仲間を――冒険仲間を吹き飛ばしてくれている猪を横目に一瞥しつつ、再び、残像を生み出す素早い剣戟を繰り出す。
「まだ、慣れたものでもない、か……」
威力が足りないといわんばかりの台詞ではあるが、傍目には十分すぎる程の太刀捌き。血を噴出し、前のめりに倒れるボアヘッドを見とめ、感嘆するように、キーストアは肩を揺らした。
「はは……おっかねーの」
ぐるり、視線が、戦場を眺める。
こちらの成果はバルバが二体……と、数えた瞬間、痛快な蹴りが殺人鬼を張り倒した。一体加えたところで数の上で同等になった程度に過ぎないが、悪くはない。
――良くも、ないが。
あくまで良い方向に見たとして。敵の多くを『引き付けて』いるキルフェの状況は変わらず。動きを制限されているのだろう、スカイランナーお得意の跳躍を活かせないでいた。
リーダーとそのオマケを担う形でいるユーリスにしても、ここまで来る間のダメージが堪えている状況。かといって、再びミヤビを前に走らせるのは、気が引ける。
いかつい獣の前に出させるには、傍らの姿はあまりに儚く見えた。
「お前は、動くなよ」
疼く足を止める言葉に。ミヤビは、ぐっ、と唸って、拗ねたようにファルコンを呼び出す。
「キースちゃんも、ね」
「あー……俺は元から無理って判ってるし」
例えば、今は最も近くにいるキーストアを貫いては敵へと向かっていくこの星霊が、前の彼らに向けて放たれたなら、状況は変わるだろうか。
……例えば、キーストアがそのために前に出てみようものなら。前衛二人――特に短気な方――から、辛辣に罵倒されること請け合いだ。
「まぁ、そんな無茶を考える風にも、見えんか……」
敵を繰り返し引っ掻いていく星霊をちらと見て、ユーリスはふと呟く。
感覚の鈍り始めた利き腕をかすかに振ってみるが、いざという時、まともに動いてくれるかどうかは怪しい。心許なさのよぎる対の手で己の武器を握り、振り下ろされる剣を受け、流す。
振り払った、その眼前に。刃に良く似た爪の軌跡が、よぎった。
じくり、毒の蝕みに痛んだ腕は――やはり、動かない。
「――――っ!」
「ユーリちゃん!」
響き渡った悲鳴は、ミヤビのもの。
深く胸を抉られ、それでも踏みとどまったユーリスの足元に、ばたばたと雨が降るのにも似た音立てて、血が滴る。
後、一度でも。ほんの少し、撫でられる程度でさえ、倒れてしまいそうなのは、後ろに立つ者らにも、容易に見て取れた。
「キースちゃん、スピカ、スピカ!」
慌てたようにキーストアに縋るミヤビだが、薄ら、瞳を細めたキーストアは、応じない。
強がりか、意地か。ぼろぼろの癖に、と胸中で呟かれながらも膝を突くことをしない背は、冷めた色をしているはずなのに、どこか熱い。
回復は無用だと、言われているような――思い違いであれば実に滑稽な信頼が、そこにはあった。
彼の、そんな真っ直ぐな視線を見上げて。ミヤビは、それ以上の言葉を噤んだ。
大丈夫だよね。言い聞かせるように、声には出さずに囁いた唇を引き結び、縋りついた指を離した。
「大丈夫」
「……だろ」
鞭が、しなやかな音を立てて空気を裂き、床を打つ。続けざまの響きに応じて、彼らの星霊が、獣の巨躯を穿った。
一撃なら、まだ、防げる自信がある。
肩で大きく息をしながら、ユーリスは思案した。そう、一撃なら、と。挟まれるのに近い形で二体を相手取っている以上、どちらかは食らうことになるだろう。
そしてどちらかを選ぶなら――自然、威力の大きい方へと意識が傾いた。
繰り出される爪の一挙一動を細かに見据え、ほぼ全ての神経を注ぐ、傍らで。がしゃがしゃ、鎧を軋ませた仮面の騎士が、剣を振りかぶる。
けれど、それは、ユーリス目掛けて振り下ろされることは、なかった。
がっ、と。鈍い音を立てて、仮面の横っ面にトンファーがぶつけられ、そのまま、叩き割った。
直後、振り抜かれた獣の爪を、ユーリスは全霊を込めて受け止め、弾き返した。
彼と敵との間に割り込むように位置どったキルフェは、口の中に溜まった血を忌々しげに吐き捨てながら、振り返る。
「悪ぃ、遅れた」
「いや……そうでもない」
くつ、と、かすかに喉を鳴らしたユーリスの手元では、ばちばちと、雷が弾けている。自分を沈めていたやも知れぬ一撃を凌ぎきり、味方の姿を見止めたゆえか、余裕さえ垣間見える表情は、ほんの一瞬の笑みの後、淡白に落ち着いた。
「キルちゃんおそーい」
「わーってるっつの。逐一煩せーんだよてめぇは」
「キルちゃんこわ~い」
冗談めかした声に、もはや悲嘆じみた音はない。
こちらも痛手を負いながら、わずかずつ、溜め込んでやった敵のダメージは大きく。各々が、繰り出す一撃ごとに止めを意識していた。
決め手を浚ったのは、迸る雷。白い仮面に青白い光が吸い込まれ、爆ぜるように割れるのを、見届けて。
真っ先に喜びを露にしたミヤビは、旋回して戻ってきたスピリットを撫で、安堵の息を漏らす二人の下へ、駆けた。
「お疲れ様☆ 肩、貸そうか?」
「あんたじゃ届かねーだろーよ」
踏み砕かれた飴を思い出したのか、舌打ちし、懐から新しい飴を取り出しながら、キルフェはくつりと笑って見せた。
そんなやりとりに、けらけらと軽い声を上げながらのんびりと歩み寄り、キーストアも緩く腰を屈め、覗き込むような仕草をしてみせる。
「じゃあ、俺の貸すー?」
「死んでも借りねー」
「お前じゃなくてユーリスにだよ、ばぁーか」
けらけらと。笑う声に、何かが砕ける音がかすかに返る。
「まったく……君たちはいつも、騒がしいな」
君たち、と言いながらも、告げるわけではなく一人ごち、ユーリスは不気味な鼓動を続ける脳髄を見やった。
何をしていたのかは、判らない。試しに一太刀浴びせてみたが、止まるわけでもない。
これをどうにかするのは、またの機会と考えた方がよさそうだ。
「そんじゃまあ、帰りますかー」
「帰ったらキースちゃんのお茶飲みたい!」
のんびりと、はしゃいだ声が踵を返し。肩を竦めて続いた後に。奇妙な静寂だけが、取り残された。
言い訳!!!
キルフェが真っ先に突っ込んでって、壁にぶっ飛ばされたんですよ。
その後団長が駆けつけてくれるまでの間に結構敵の攻撃があって…!
あのときのクラッシュ率尋常じゃなかったww意地すぎるww
団長の残像剣に救われた。マジで。一度に4体とかやってくれたりしてね、本当、助かった!
団長がきて、男の娘も鞭でびしばし駆けつけてくれたんだけど、にっくきボアヘッド殴られて強制送還されてからは前出てこなかったの。危ないよ!めっ!
男の娘→にゃんこたんへのチャージ付与率が半端ない。一番近いからそりゃ対象は固定だろうけど、ほぼ毎回してくれる。
にゃんこたんは一度も回復してくれませんでした。
団長が毒貰ってボスの攻撃でクリティカルかよレベルなダメージ食らって、あと8とかもう本当クラッシュ以外生き残る手段ない状態だってのに回復してくれませんでした。
後一撃やばいー!ってとこで、キルフェ復活。攻撃対象変更。お前そのタイミング狙ってただろって言うくらいいいとこに出てきたww
そんな感じだったんだ!
あ。ターンは何ぼか省略してると思う。メモしてたわけじゃないんで、細かいとこまで覚えてない!←
これで4600文字くらいです!むふー。いい感じに纏まった。
苦情は本人からのみ受け付けます(。ノノ)
自己満!自己満!(逃
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りぷきた!!(*ノノ)
ちょwはや!!!
色々もだもだしてるうちに完成したた!!!
したたってなんだw し て た !
えええええ、皆ちょーかっこよい(*ノノ)
男の娘はかわゆすかわうすもってかえるううう!!!
どうしよう。縋られちゃったよはあはあ。←城砦騎士につかまればいいのに
んでやっぱりいつもの事だけどだんちょおすげえかっこいいんですが!ずるいずるい!はあはあし過ぎてはげそう!
うへへwウチの子はキルたんをからかってる時が一番生き生きしてる気がしてきた今日この頃。
なんかかっちょいいことした気分になってるけど所詮ふらふらなだんちょおほっといてる酷い子デフォじゃないかww
でも後ろの人が書くうちの子が一番うちの子らしいー(´v`)きゃっきゃうふふ。
親よりもらしく書くってどういうことよw
むふー。むふー。おつかれさまー!
またよろしくー!vv(´∀`人)←←←
色々もだもだしてるうちに完成したた!!!
したたってなんだw し て た !
えええええ、皆ちょーかっこよい(*ノノ)
男の娘はかわゆすかわうすもってかえるううう!!!
どうしよう。縋られちゃったよはあはあ。←城砦騎士につかまればいいのに
んでやっぱりいつもの事だけどだんちょおすげえかっこいいんですが!ずるいずるい!はあはあし過ぎてはげそう!
うへへwウチの子はキルたんをからかってる時が一番生き生きしてる気がしてきた今日この頃。
なんかかっちょいいことした気分になってるけど所詮ふらふらなだんちょおほっといてる酷い子デフォじゃないかww
でも後ろの人が書くうちの子が一番うちの子らしいー(´v`)きゃっきゃうふふ。
親よりもらしく書くってどういうことよw
むふー。むふー。おつかれさまー!
またよろしくー!vv(´∀`人)←←←
きゃー(*ノノ)
リプレイっぽく見えれば吉!
てか四人しかいないのにこの文字量ってどうだろう。倍以上を鮮やかに動かすMSさん半端ない。
みんながかっこよく見えればそれでいいかな!とか色々脚色し放題!
男の娘きゃぴきゃぴしすぎたかなぁとか思ってるんだけど…可愛さの誘惑には勝てなかった。もうとことん可愛くなればいいんじゃないかな!←
団長ね、団長ね、だってリアルにかっこよかったんだもん!
団長はかっこいい。譲らない。譲れない。
にゃんこたん、酷い子ww手動に切り替えたろか思うくらい使わなくて焦ったよ!ww
(*ノノ)気がついたらうちの子とばかり話させてたんだ。
キルフェに対する対応だけなら判る!みたいなノリ。←←
でも、らしいって言われるのがやっぱ嬉しい!わーい!
むふー。って、人が言ってるの見るとなんか…どきどきするね(おま
こんなんでよければなんぼでもー!書かせてくれてありがとー!
てか四人しかいないのにこの文字量ってどうだろう。倍以上を鮮やかに動かすMSさん半端ない。
みんながかっこよく見えればそれでいいかな!とか色々脚色し放題!
男の娘きゃぴきゃぴしすぎたかなぁとか思ってるんだけど…可愛さの誘惑には勝てなかった。もうとことん可愛くなればいいんじゃないかな!←
団長ね、団長ね、だってリアルにかっこよかったんだもん!
団長はかっこいい。譲らない。譲れない。
にゃんこたん、酷い子ww手動に切り替えたろか思うくらい使わなくて焦ったよ!ww
(*ノノ)気がついたらうちの子とばかり話させてたんだ。
キルフェに対する対応だけなら判る!みたいなノリ。←←
でも、らしいって言われるのがやっぱ嬉しい!わーい!
むふー。って、人が言ってるの見るとなんか…どきどきするね(おま
こんなんでよければなんぼでもー!書かせてくれてありがとー!
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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋
メッセ登録してみました。
出現率は低率の予感ですがお気軽に
mai-maieb@hotmail.co.jp
登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です
ブログ内のイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権はキルフェPLに、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
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