TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。
現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
+ + + + + + + + + +
闘技大会申請書。頭に第何回と書いてある数字をちらと見やったが、特に意味のある数字に見えなかったそれは、意識や記憶に触れることさえなく掻き消えていく。
簡素なテーブルの上に放るように置いて、どこからともなく吹き込んでくる風から護る重石代わりに飴の袋を乗せた。
後は、残りの面子が書き込むのを待つだけ。
待つだけの、作業が。ずいぶんと久しく感じられた。
ふと、思いついたようにもう一度紙を振り返る。頭に書かれた、数字。
意識には相変わらずかすりもしないが、思い起こされる記憶には、触れた。
ここ最近、なぜだか異様に賑やかさを増した場所。人が集まったし、新しい顔も増えたし。なんだかんだでそちらの面子が声を掛け合って連れ立っていくことが、多かった。
味気ない、殺伐とした雰囲気を伴うこの場所から参加するのは、いつ振りだろうかと、一瞬だけ思案する。
一瞬でやめたのは、当然、意味がないからで。肩を竦めて踵を返した。
その足で向かうのは、旅人の酒場。
つい、最近。大きな仕事の話で盛り上がっていたその場所は、今は随分と静かに見える。
語られる話に特に興味は抱けず、聞き流して、それきり。
「それじゃあ、頑張ろうな」
「気をつけて行ってきてね」
不意に耳朶を突いた、誰とも知らない、声。
思わず止めた足。脳裏をよぎったのは、自分自身が紡いだ、声。
『あんたに限って、ヘマはしねーわな』
あれは、あれは、ただの呟きで、ほんのささやかな信頼で。
――決して、願望なんかじゃない。
がりっ、と。口の中の飴玉が音を立てて砕けた。
足早に酒場を立ち去り、出てきたばかりの廃屋へ、戻る。
と、出掛けにはなかったはずの人の気配を見つけ、不機嫌を隠せないまま――もとより隠す気もあまりないわけだが――覗き込んだ。
「あ、よっす! 闘技場、誘ってくれてありがとな!」
からりと晴れた、夏の空のような笑顔が、見上げてくる。
梅雨真っ只中だったような胸中さえも、晴らすように。
「っていうか、バトロワの申請書は?」
きょろきょろと見渡す度、後頭部で左右に揺れる髪。
快活なのはどちらでも変わらないけれど、その髪形は、少年らしい彼の態度と相まって、活動的に見せているような気がして。
何となく、和んだ。
「もう出してある。どうせ参加するだろ」
「えー! いや、するはするけど……くそぅ、そっちは出す気満々だったのに……」
「誰が出したって一緒だろ。また別の時にでも出せば?」
くつりと喉を鳴らして笑えば、本気で悔しがった顔をしていた少年も、肩を竦めて笑った。
「ま、それもそうだよな。そんじゃ、当日な!」
どこかへ出かけるつもりなのだろう。慌しく駆けていく背中を、振り返り、見送って。
「なぁ」
唐突に、声をかけた。
入り口を抜ける直前で立ち止まり、きょとんと振り返る少年に、これも、また、不意に脳裏をよぎった、自分自身の言葉を、投げかける。
「参加、俺とあんただけじゃねーぞ。判ってると思うけど」
ぱちくりと。目を瞬かせた少年は、次の瞬間には、にかっ、と歯を見せて、嬉しそうに笑った。
「判ってるって! なんか四人で参加すんのも久しぶりだな、すげー楽しみにしてる!」
告げて、改めて駆けていった少年の、言葉に。
つきり、と。胸の奥が痛んだ気がした。
「楽しみに、ね……」
そんなつもりでは、なかったから。
ただ、不機嫌が、募って、募って、どうしようもなくなったから。
だからと言う理由で、かけた声。
どうせ、労う言葉一つ吐き出せないのだから、せめて――。
「楽しむ、かね……」
柄にもなく、それで何かが満たされるような、気がした。
簡素なテーブルの上に放るように置いて、どこからともなく吹き込んでくる風から護る重石代わりに飴の袋を乗せた。
後は、残りの面子が書き込むのを待つだけ。
待つだけの、作業が。ずいぶんと久しく感じられた。
ふと、思いついたようにもう一度紙を振り返る。頭に書かれた、数字。
意識には相変わらずかすりもしないが、思い起こされる記憶には、触れた。
ここ最近、なぜだか異様に賑やかさを増した場所。人が集まったし、新しい顔も増えたし。なんだかんだでそちらの面子が声を掛け合って連れ立っていくことが、多かった。
味気ない、殺伐とした雰囲気を伴うこの場所から参加するのは、いつ振りだろうかと、一瞬だけ思案する。
一瞬でやめたのは、当然、意味がないからで。肩を竦めて踵を返した。
その足で向かうのは、旅人の酒場。
つい、最近。大きな仕事の話で盛り上がっていたその場所は、今は随分と静かに見える。
語られる話に特に興味は抱けず、聞き流して、それきり。
「それじゃあ、頑張ろうな」
「気をつけて行ってきてね」
不意に耳朶を突いた、誰とも知らない、声。
思わず止めた足。脳裏をよぎったのは、自分自身が紡いだ、声。
『あんたに限って、ヘマはしねーわな』
あれは、あれは、ただの呟きで、ほんのささやかな信頼で。
――決して、願望なんかじゃない。
がりっ、と。口の中の飴玉が音を立てて砕けた。
足早に酒場を立ち去り、出てきたばかりの廃屋へ、戻る。
と、出掛けにはなかったはずの人の気配を見つけ、不機嫌を隠せないまま――もとより隠す気もあまりないわけだが――覗き込んだ。
「あ、よっす! 闘技場、誘ってくれてありがとな!」
からりと晴れた、夏の空のような笑顔が、見上げてくる。
梅雨真っ只中だったような胸中さえも、晴らすように。
「っていうか、バトロワの申請書は?」
きょろきょろと見渡す度、後頭部で左右に揺れる髪。
快活なのはどちらでも変わらないけれど、その髪形は、少年らしい彼の態度と相まって、活動的に見せているような気がして。
何となく、和んだ。
「もう出してある。どうせ参加するだろ」
「えー! いや、するはするけど……くそぅ、そっちは出す気満々だったのに……」
「誰が出したって一緒だろ。また別の時にでも出せば?」
くつりと喉を鳴らして笑えば、本気で悔しがった顔をしていた少年も、肩を竦めて笑った。
「ま、それもそうだよな。そんじゃ、当日な!」
どこかへ出かけるつもりなのだろう。慌しく駆けていく背中を、振り返り、見送って。
「なぁ」
唐突に、声をかけた。
入り口を抜ける直前で立ち止まり、きょとんと振り返る少年に、これも、また、不意に脳裏をよぎった、自分自身の言葉を、投げかける。
「参加、俺とあんただけじゃねーぞ。判ってると思うけど」
ぱちくりと。目を瞬かせた少年は、次の瞬間には、にかっ、と歯を見せて、嬉しそうに笑った。
「判ってるって! なんか四人で参加すんのも久しぶりだな、すげー楽しみにしてる!」
告げて、改めて駆けていった少年の、言葉に。
つきり、と。胸の奥が痛んだ気がした。
「楽しみに、ね……」
そんなつもりでは、なかったから。
ただ、不機嫌が、募って、募って、どうしようもなくなったから。
だからと言う理由で、かけた声。
どうせ、労う言葉一つ吐き出せないのだから、せめて――。
「楽しむ、かね……」
柄にもなく、それで何かが満たされるような、気がした。
PR
この記事にコメントする
使い慣れた万年筆が…
何故だか妙に重く感じられた気がした。
一度、ほんの一瞬、そのまま放り、立ち去りたいと思う衝動に駆られた程度には。
+ + + + + + + + + +
生活感という物が微塵も感じられぬ室内。
特に配置を考えたでもなく置かれた簡素なテーブルに、もはや馴染みとなったカラフルな置物。
当然、それの下で吹き込む風に靡くそれも目に入った。
――そういえば確かそのような手紙が来ていただろうか。
手馴れた様子で愛用の万年筆を取り出す。
――…ま、あんたに限って、ヘマなんてしねーわな。
…手紙の中の一文が頭を過ぎる。
使い慣れたそれが、何故だか妙に重く感じられた気がした。
一度、ほんの一瞬、そのまま放り、立ち去りたいと思う衝動に駆られた程度には。
あれは……期待であり、希望であり……。
……向けられるには少し、恐ろしい感情。
――あんたの気に障らねー程度に好きにさせてもらうつもりだが、いいか?
これは所謂契約違反という事ではないのか…。
子供のような事を考えた後…ようやく、部屋に小気味良い音が響く。
流してしまえばいいことだ。此方が触れねば向こうも再び持ち出す事もあるまい。
そうしてまた、距離をはかる。それで何かが保たれるような、気がした。
+ + + + + + + + + +
ぱっしょんわいたけど途中でよくわからなくなった件。
みじゅぎは無事じゅりされたっぽいよ。
アビリティの設定が白紙なことに三十分前に気づいて焦ったらしいよ。凄く余談。
やっぱりきるたんがすごくかわゆい。
一度、ほんの一瞬、そのまま放り、立ち去りたいと思う衝動に駆られた程度には。
+ + + + + + + + + +
生活感という物が微塵も感じられぬ室内。
特に配置を考えたでもなく置かれた簡素なテーブルに、もはや馴染みとなったカラフルな置物。
当然、それの下で吹き込む風に靡くそれも目に入った。
――そういえば確かそのような手紙が来ていただろうか。
手馴れた様子で愛用の万年筆を取り出す。
――…ま、あんたに限って、ヘマなんてしねーわな。
…手紙の中の一文が頭を過ぎる。
使い慣れたそれが、何故だか妙に重く感じられた気がした。
一度、ほんの一瞬、そのまま放り、立ち去りたいと思う衝動に駆られた程度には。
あれは……期待であり、希望であり……。
……向けられるには少し、恐ろしい感情。
――あんたの気に障らねー程度に好きにさせてもらうつもりだが、いいか?
これは所謂契約違反という事ではないのか…。
子供のような事を考えた後…ようやく、部屋に小気味良い音が響く。
流してしまえばいいことだ。此方が触れねば向こうも再び持ち出す事もあるまい。
そうしてまた、距離をはかる。それで何かが保たれるような、気がした。
+ + + + + + + + + +
ぱっしょんわいたけど途中でよくわからなくなった件。
みじゅぎは無事じゅりされたっぽいよ。
アビリティの設定が白紙なことに三十分前に気づいて焦ったらしいよ。凄く余談。
やっぱりきるたんがすごくかわゆい。
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋
メッセ登録してみました。
出現率は低率の予感ですがお気軽に
mai-maieb@hotmail.co.jp
登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です
ブログ内のイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権はキルフェPLに、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋
メッセ登録してみました。
出現率は低率の予感ですがお気軽に
mai-maieb@hotmail.co.jp
登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です
ブログ内のイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権はキルフェPLに、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
カテゴリー