TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。
現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
響く、響く、雨の音。
しとしと静かなその音を聞きながら、酒場で聞いた一つのお祭り。
町が歌う声を頭の端によぎらせて。ぽん、と浮かんだ二つの顔。
思案は一瞬。ほんの少しの躊躇いはあったけれど、それでも、足を止めて声を飲み込む理由にはならなくて。
ねぇ、と。変わらぬ調子で投げかけた。
+ + + + + + + + + +
ぴぃ――。水笛が甲高い音を立てて、やがて掠れた。
んん、と首を捻って、けれど口元には笑みを浮かべて。男はもう一度だけ、笛を鳴らす。
相変わらず零れるのは甲高いだけの音で、どうにも、誰かさんが語っていた鳥の囀りのような音には至らない。
「どう? 鳥は、鳴いた?」
「んー……ちょい練習がいるかも」
ぴぃー、と、ほんのかすかに鳴らしてみせ、諦めたように着物の袖の中にしまいこむのを見て、女はくすりと一つ微笑み、足元の水溜りをぱしゃり、音を立てて踏んだ。
「なら、他の楽器、鳴らそ♪」
「そうそう、見てるだけちゅうんは、今日ばかりはなしやでー」
同じように足音を響かせる青年の姿に視線をやり、二人を一度ずつだけ見つめて。
「も少し賑やかなとこ、行かん?」
屋根が、窓が、軒が、地面が、様々な音を立てる町の中心を指差して、たっ、と、駆けた。
細い路地を駆け抜ける子供が一つ二つと水溜りを跳ね上げていく音さえ計算されたかのような、歌う街に中てられて。なんだか童心に返ったような気分だった。
雨に濡れた空気が心地よく、辿り着いた先で大きく息を吸い込めば、傍らに降る、しゃらりと澄んだ音。
「おじいさんも、やるね♪ どこも、かしこも、歌いっぱなしよ」
木琴に良く似た、リズミカルな屋根の音に乗るように、くるりくるりと回る。
その度々に、彼女の纏った装飾もまた、音を奏でていた。
「さっすが、音に乗っかるん、相変わらず上手いなー」
「うふふ♪ そりゃぁ、乗らなきゃ、損♪ だもの?」
ややのんびりとした足取りで追いついた青年が感嘆の声を上げるのに振り返れば、す、と差し出される手のひら。
「わいらも乗ってまわんか?」
誘う言葉に連ねるは、トンタン、パシャリと軽やかなステップ。
朗らかな声すらも、音色となって。疼く心を刺激する。
「あんま得意やないよ。リードして?」
「そうは見えんけど…っしゃ、たまには任されたろやないか!」
ふわりと踏み出す足元に、ちらと一度だけ視線を落として、とん、とん、ついて跳ねる。
石畳が、カツ、コツ、と拍子を取り、水溜りの歓声が、パシャッ、と弾ける広場を、不揃いに、時たま重なり合って、足音が踊る。
「混ざる~。混ぜて♪」
きらきら、しゃらり。澄み色の音が加われば、雨は一層賑やかに、軽やかに、鳴り響く。
幾つも、幾つも、音が重なる。
幾つも、幾つも、想いを含んで。
雨を降らす空は、灰色の雲に覆われていたけれど。
「うん、いい天気」
見上げた笑顔は、晴れ晴れとしていた。
------------------------------------
もにゃ。
雨の音楽祭、改めてありがとうございましたー(*ノノ)
一緒になって踊ってるとこはリプレイで頂いたのでその前を妄想補完。
折角なので笛を吹いてみました。きっとガルさんは上手く吹けない。
んん、と首を捻って、けれど口元には笑みを浮かべて。男はもう一度だけ、笛を鳴らす。
相変わらず零れるのは甲高いだけの音で、どうにも、誰かさんが語っていた鳥の囀りのような音には至らない。
「どう? 鳥は、鳴いた?」
「んー……ちょい練習がいるかも」
ぴぃー、と、ほんのかすかに鳴らしてみせ、諦めたように着物の袖の中にしまいこむのを見て、女はくすりと一つ微笑み、足元の水溜りをぱしゃり、音を立てて踏んだ。
「なら、他の楽器、鳴らそ♪」
「そうそう、見てるだけちゅうんは、今日ばかりはなしやでー」
同じように足音を響かせる青年の姿に視線をやり、二人を一度ずつだけ見つめて。
「も少し賑やかなとこ、行かん?」
屋根が、窓が、軒が、地面が、様々な音を立てる町の中心を指差して、たっ、と、駆けた。
細い路地を駆け抜ける子供が一つ二つと水溜りを跳ね上げていく音さえ計算されたかのような、歌う街に中てられて。なんだか童心に返ったような気分だった。
雨に濡れた空気が心地よく、辿り着いた先で大きく息を吸い込めば、傍らに降る、しゃらりと澄んだ音。
「おじいさんも、やるね♪ どこも、かしこも、歌いっぱなしよ」
木琴に良く似た、リズミカルな屋根の音に乗るように、くるりくるりと回る。
その度々に、彼女の纏った装飾もまた、音を奏でていた。
「さっすが、音に乗っかるん、相変わらず上手いなー」
「うふふ♪ そりゃぁ、乗らなきゃ、損♪ だもの?」
ややのんびりとした足取りで追いついた青年が感嘆の声を上げるのに振り返れば、す、と差し出される手のひら。
「わいらも乗ってまわんか?」
誘う言葉に連ねるは、トンタン、パシャリと軽やかなステップ。
朗らかな声すらも、音色となって。疼く心を刺激する。
「あんま得意やないよ。リードして?」
「そうは見えんけど…っしゃ、たまには任されたろやないか!」
ふわりと踏み出す足元に、ちらと一度だけ視線を落として、とん、とん、ついて跳ねる。
石畳が、カツ、コツ、と拍子を取り、水溜りの歓声が、パシャッ、と弾ける広場を、不揃いに、時たま重なり合って、足音が踊る。
「混ざる~。混ぜて♪」
きらきら、しゃらり。澄み色の音が加われば、雨は一層賑やかに、軽やかに、鳴り響く。
幾つも、幾つも、音が重なる。
幾つも、幾つも、想いを含んで。
雨を降らす空は、灰色の雲に覆われていたけれど。
「うん、いい天気」
見上げた笑顔は、晴れ晴れとしていた。
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もにゃ。
雨の音楽祭、改めてありがとうございましたー(*ノノ)
一緒になって踊ってるとこはリプレイで頂いたのでその前を妄想補完。
折角なので笛を吹いてみました。きっとガルさんは上手く吹けない。
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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋
メッセ登録してみました。
出現率は低率の予感ですがお気軽に
mai-maieb@hotmail.co.jp
登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です
ブログ内のイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権はキルフェPLに、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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