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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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 広げられた敷物からは、少し、距離を置いた場所。
 元が何物だったかも知れない、今何と呼ぶべきかも良く判らない『何か』の上に腰を下ろし、眺め見る。
 初めて見つけた時は、静かな場所だと思った。
 思って、いた――。

+ + + + + + + + + +
 見つけたその場所に初めて訪れたのは、知った顔の少女だった。
 同じタイミングで現れたのも、少女と既知の、少女――。
 まだまだ短いとはいえ、想定していたよりも長い時間。過ごした場所に訪れた顔を、そうして一つ一つ、思い起こしてみた。
 ……が、すぐにやめた。
 途中で、頭の端に鈍い痛みを覚えたような気がしたから。
「全く持って、以外だな……」
 紹介所に足を運んだこともあったはあった。
 だがそこに期待はなく。見かけて、と言う単語自体に驚きもした。
 そうして至った現状は、全く想定していなかった、明るさと賑やかさ。
 ただひたすらに静かで静かで静かな場所は、耳を澄まさずとも話す声と笑うさざめきがこだまする場所になっていた。
「何が、気に入ったんだか」
 彼らを見ていると、なんだか場違いな場所に居るような気分になることもあったけれど。
 そう思っているのはたぶん自分だけなのだろう。
 まぁ、自分はともかく。彼らが楽しそうなら、何よりだ、と。
 飴を銜えながら、ぼんやりと思案する。

 ――いつから。
 程近い位置の存在を認識できるようになったのか。
 程近い位置の存在を肯定できるようになったのか。

 『面倒臭い』から、会った人間の顔なんて覚えなかった。
 『疎ましい』から、必要以上に関わることなんてしなかった。
 縁の薄いと思っていた、縁を薄めたと思っていた明るさと賑やかさに、それなりに馴染んでいる現状は、動揺を覚えたっておかしくはないはずなのに。
 そんな感情は、胸中のどこを探しても、見当たらない。

 そういえばとふと思い起こしたのは、静かで怜悧な雰囲気を漂わせた後姿。
 その背を追って訪れた場所も、初めは、静かな場所だと思ったのだ。
 賑やかしい声が聞こえたが、それでもかまわず踏み入ったのは、そんなものが少しくらい混じっていても根本は変わらないと思ったから。
 思えばあそこにも誤算はあった。
 ……あったはあったが、それはそれで、良かった。
 困ることはあったけど。苛立つこともあったけど。
 不快だと、思ったことはなかった。
 我ながら、ずいぶんと丸くなったものだ。
 あるいは――絶ち続けていた人間との接触に、昔々に切り離したつもりの何かを取り戻したのかも、知れない。
 知れないが、きっと、考えても無駄なのだろうから。
 思案を消すように、緩く頭を振った。
「全く……物好きなこったな」
 その物好きに、きっと、救われているのだろうと、誰かが囁いた気がした。
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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

メッセ登録してみました。
出現率は低率の予感ですがお気軽に
mai-maieb@hotmail.co.jp
登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です

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