『空』を描いた天井は、元はどんな色をしていたのだろう。
そんなささやかなことを考えながら、流れる雲を、その隙間に煌々と照る月を、眺めた。
寒くはないかと尋ね、良ければ中にと広げた着物。
すっぽりと収まった小さな体躯は、普段、親愛を篭めて抱きしめている時よりも、ずっと、小さく見えた。
「ほんまもんの月のが良かったんやろうけど……何が違うと問われても、なぁんも判らんねぇ」
また一つ吹き抜けた音の無い風を頬に感じ、そっと身を寄り添わせながら、仰ぎ見る。
優秀な星霊建築の賜物は、いつかどこかで見た空となんら変わらない。
不思議だけれど、素敵な力。そういえば、傍らの少女も同じ力を扱うことをふと思い起こして。同じものを見つめている彼女を、何の気なしに、覗き込んだ。
夜風の冷たさゆえか。ほんのりと朱に染まった頬に、カップで暖めた指を添えようとして――代わりに、揺れる髪をかすかに梳いた。
「寒ない?」
「ん…平気。ありがとう」
はにかむ姿は愛らしく、思わず、頬が緩む。
「約束……」
「うん?」
「覚えててくれたん、ほんに、嬉しかったけ…倖せ、よ」
一緒に星を見よう。いつかの時に交わした、約束。
切欠は些細なことで、お互い空が、星が、好きだったから。
だからこそ忘れるはずも無かったし、同じ空を同じ場所から見上げられる幸せは、きっと、同じだと思った。
果たしたからと言って、それきりなんて。そんな詰まらないことは、元より、する気もなかったから。
「約束」
差し出された小指に同じ指を絡めることに、躊躇う理由は無かった。
――けれど、ついぞせずにいた所作に、気恥ずかしさくらいは、あって。
その瞬間だけは、幻想色の瞳を真っ直ぐに見つめることが出来なかったような、そんな、記憶。
いつか、いつか。
一緒に美味しいものを食べに行こう。
普段は行かない場所に遊びに行こう。
約束を重ねて、重ねて。
君のこと、もっと教えて。
囁く声に返された笑顔は、見上げ仰いだ月よりも、眩しくて、眩しくて。
その刹那に、ぽん、と音を立てて花が咲いたような、そんな気がした。
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(*´艸`)
かわうい女子とデートでした。デートと言い張ります。
二人で出かけたらデートです。(キリリ ←
こう見えて照れ屋なんよ、がたまの口癖なガルさんですが、割と、本気で、照れ屋です。
微笑ましさが勝ればふつーにしてますが。
食べ歩きもとっても楽しみ楽しみ。
改めまして、ご一緒頂きありがとうございましたー。
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花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋
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