TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。
現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
+ + + + + + + + + +
二人組が向かったのは、ギガンティア。そう言えば新しい場所が見つかったとか言う話を街角で聞いて、嬉々として出向いた鮮明な記憶がある。
綺麗な場所だったなぁ、と、思い起こしながら、見失わないように後を付けた。
家屋の影から、物音を立てないよう慎重に。何せギガンティアだ。うっかり物音を立てて敵を誘き寄せでもしては大事である。
――まぁ、勝てない相手が居るとは思ってないが、それはそれとして。
スタスタスタ。てこてこてこ。
二人旅の足取りは随分と軽く、揚々としてさえ見える。
けれど、決して進みが速いわけでもなかった。
時折立ち止まり、口許に指を宛がい思案する表情を作りながら、やがて首を傾げつつ足を向ける。そんな繰り返しが、数度。
(……あれ、あっち、さっき行ったような……)
前を行く彼らと同じように、口許に指を宛がい、思案を滲ませる。
念のためこっそりと足元の小石を拾い、傍らの樽の上に置いてみた。
幾らか経った頃。案の定、その目印は再び目の前に現れた。
(迷ったりもするんやねぇ)
穏やかな美貌は怜悧を窺わせ、印象としては何でもそつなくこなすように感じていた。
だって、相手は貴族様なのだから――。
けれど思えば、幾らか言葉を交わしたほんの短い時間の中で、彼が印象とは随分違うことを知ったではないか。
それを思い起こすと、迷う姿も、なんだか「らしく」見えた。
くすくす。思わず笑う。
「ふふ……っと……」
音としてはかすかな笑い声。それを、立ち止まって考え込む彼の傍らに佇んだ『彼女』が耳聡く聞きとめたらしい。首を傾げるのと良く似た仕草で、ちらりと、振り返ってきた。
目の合った『彼女』に、しーっ、と指を立てて首を振ると、聞き分けたように視線を戻す。
そうして、再び歩き始めた彼の傍らにぴったりと寄り添って、同じ道を歩いていく。
何だか微笑ましい姿を、眺めて、眺めて――やがて、ギガンティアに巣食うマスカレイドたちの親玉を倒すに至った。
その過程で、また何度か迷う姿を見たけれど。
「お疲れ様……付き合ってくれて、ありがとう」
『彼女』と抱き合う彼を見ていると、楽しかったのだろうなと、小さな笑みが零れた。
「さって、うちも帰ろぉ」
満足にくるりと踵を返した瞬間、たたっ、と、何かが駆けてくる足音。
「ん……え、わ、ちょ……」
振り返れば、するり、足元に潜り込んでくる『彼女』の姿が。
「こら、駄目だよ、戻らないとバレ……」
「ふふ、慌てる姿なんて、何だか珍しい気がしますね」
くるくると回りながら諭そうとしていたところにかけられた、彼の声。
あちゃ、と頬を掻き、ひっそりと上気した頬を隠すように袖口を添えて振り返れば、くすくす、先ほどの自分のように微笑ましげに笑う彼と、目が合った。
「……なんや、バレてたんかぁ」
「途中から、ですけどね。この子がやたらと後ろを気にしているものですから」
おいで、と声をかければ、『彼女』は大人しく彼の元へ戻り、足元でごろごろと喉を鳴らす。
それから、くるくる、何かを求めるように彼の周りを回り、じぃ、と訴えかけるように見上げていた。
「そういえば」
つぃ、と。そんな『彼女』をいとおしげに見つめていた目をこちらへ向けて。
「もう、お帰りですか?」
彼は穏やかに微笑んで、小首を傾げた。
それを見て、主と同じ仕草で見つめてくる『彼女』。
仲の良い姿は、時々羨ましくもあるほど、微笑ましくて。
「折角やから、もう一回り、しようかな」
遊び足りない『彼女』のために。
それから、もう少し近づいてみたい、自分のために。
「付き合うてくれて、おおきになぁ」
にこり、笑みを湛えて小首を傾げた。
--------------------
思い切ってやっちゃったよ!と清々しく言って見る。
誰とは言わない。
だって迷ったって言ってたんだもん。
きっと後ろでくすくす微笑ましく笑いながら見てると思ったんだもん。
追っ手を撒くのは得意だけど多分尾行は苦手なガルさんでした。(主旨←
綺麗な場所だったなぁ、と、思い起こしながら、見失わないように後を付けた。
家屋の影から、物音を立てないよう慎重に。何せギガンティアだ。うっかり物音を立てて敵を誘き寄せでもしては大事である。
――まぁ、勝てない相手が居るとは思ってないが、それはそれとして。
スタスタスタ。てこてこてこ。
二人旅の足取りは随分と軽く、揚々としてさえ見える。
けれど、決して進みが速いわけでもなかった。
時折立ち止まり、口許に指を宛がい思案する表情を作りながら、やがて首を傾げつつ足を向ける。そんな繰り返しが、数度。
(……あれ、あっち、さっき行ったような……)
前を行く彼らと同じように、口許に指を宛がい、思案を滲ませる。
念のためこっそりと足元の小石を拾い、傍らの樽の上に置いてみた。
幾らか経った頃。案の定、その目印は再び目の前に現れた。
(迷ったりもするんやねぇ)
穏やかな美貌は怜悧を窺わせ、印象としては何でもそつなくこなすように感じていた。
だって、相手は貴族様なのだから――。
けれど思えば、幾らか言葉を交わしたほんの短い時間の中で、彼が印象とは随分違うことを知ったではないか。
それを思い起こすと、迷う姿も、なんだか「らしく」見えた。
くすくす。思わず笑う。
「ふふ……っと……」
音としてはかすかな笑い声。それを、立ち止まって考え込む彼の傍らに佇んだ『彼女』が耳聡く聞きとめたらしい。首を傾げるのと良く似た仕草で、ちらりと、振り返ってきた。
目の合った『彼女』に、しーっ、と指を立てて首を振ると、聞き分けたように視線を戻す。
そうして、再び歩き始めた彼の傍らにぴったりと寄り添って、同じ道を歩いていく。
何だか微笑ましい姿を、眺めて、眺めて――やがて、ギガンティアに巣食うマスカレイドたちの親玉を倒すに至った。
その過程で、また何度か迷う姿を見たけれど。
「お疲れ様……付き合ってくれて、ありがとう」
『彼女』と抱き合う彼を見ていると、楽しかったのだろうなと、小さな笑みが零れた。
「さって、うちも帰ろぉ」
満足にくるりと踵を返した瞬間、たたっ、と、何かが駆けてくる足音。
「ん……え、わ、ちょ……」
振り返れば、するり、足元に潜り込んでくる『彼女』の姿が。
「こら、駄目だよ、戻らないとバレ……」
「ふふ、慌てる姿なんて、何だか珍しい気がしますね」
くるくると回りながら諭そうとしていたところにかけられた、彼の声。
あちゃ、と頬を掻き、ひっそりと上気した頬を隠すように袖口を添えて振り返れば、くすくす、先ほどの自分のように微笑ましげに笑う彼と、目が合った。
「……なんや、バレてたんかぁ」
「途中から、ですけどね。この子がやたらと後ろを気にしているものですから」
おいで、と声をかければ、『彼女』は大人しく彼の元へ戻り、足元でごろごろと喉を鳴らす。
それから、くるくる、何かを求めるように彼の周りを回り、じぃ、と訴えかけるように見上げていた。
「そういえば」
つぃ、と。そんな『彼女』をいとおしげに見つめていた目をこちらへ向けて。
「もう、お帰りですか?」
彼は穏やかに微笑んで、小首を傾げた。
それを見て、主と同じ仕草で見つめてくる『彼女』。
仲の良い姿は、時々羨ましくもあるほど、微笑ましくて。
「折角やから、もう一回り、しようかな」
遊び足りない『彼女』のために。
それから、もう少し近づいてみたい、自分のために。
「付き合うてくれて、おおきになぁ」
にこり、笑みを湛えて小首を傾げた。
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思い切ってやっちゃったよ!と清々しく言って見る。
誰とは言わない。
だって迷ったって言ってたんだもん。
きっと後ろでくすくす微笑ましく笑いながら見てると思ったんだもん。
追っ手を撒くのは得意だけど多分尾行は苦手なガルさんでした。(主旨←
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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋
メッセ登録してみました。
出現率は低率の予感ですがお気軽に
mai-maieb@hotmail.co.jp
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ブログ内のイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権はキルフェPLに、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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