前を歩く背中。
　大きくて頼もしくて、きっと、大好きな背中。
「あ、あ、待って……」
　時々、急に遠ざかる、足早な背中。

　ぽぇっ、と音がするような装いで、首が傾ぐ。
　よどみなく歩く姿は行く道を良く良く判っているようだった。
　自分は何度来ても迷うのに。凄いなぁ、と無意識に呟く。
「……遅い」
「え、わ…ご、ごめん…なさい……」
　ぴたりと足を止めて、肩越しにちらりとだけ振り返ったその人は、拗ねたような顔をしていた。
　怒ったのかな。思い、しゅんとすれば、かすかに伏せた視線に、今度はぎょっとしたような顔が過ぎる。
「あ、謝ってる暇があったらさっさと来いって言ってんだよ！」
　振り返り、ほら、と、やや強引に手を引き促された。
　ぱたぱた、数歩だけ小走りに追いかけ、思い切って、並んでみた。
　瞬間、がたりと物音を立てて現れた敵。
　ぴっ、とかすかな悲鳴を上げて、やっとやっとで並んだ背中の陰に隠れれば。
　その人は、さりげなく前へ一歩踏み出た。
　それが常の姿だと、よくよく知ってはいたけれど。
　やっぱり、その瞬間は嬉しくてついつい顔が緩んだ。
「よそ見して、すっ転ぶなよ」
「うん！」
　頷く声は、きっと、きっと、いつもより力強く聞こえているだろう。
　何でも出来そうな気がする、不思議な感覚を、大鎌を握り締める手に篭めて。
　まずは一歩、今度こそ並ぶように踏み出した。





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某ツンデレもふもふアレルギー患者の本気を見て、やらねばならないと思った。
もっと早くやればよかったのだがうっかり寝てて、日付変わるやばい戻さねばとテンパってた結果がこれだよ。
しかしぎりぎりだが間に合ったはず。時間の改竄したとかは言わない。←
きのこの子お気に召していただけたようで爆笑です←←
ツンデレ美味しいよツンデレ。
思わず懐くよあのツンデレには。でれれ。