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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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「判らんなぁ」
 傾けるグラス。差し出されたクリアな液体。
 舌を愉しませるのはほのかな酸味を伴った、甘い甘い果実の味。

+ + + + + + + + + +
 同じ形をしたグラスに、違う液体を注ぎいれて。彼は口許で傾げながら、同時に首を傾げた。
「ん? 何がだ?」
「なに、考えてるんやろぉ、て」
 誰が、と問われるより早く、「君が」と告げるような視線をやる。
 おどけたように肩を竦めて、彼は手にしたグラスをテーブルの上に置いた。
「そうか? 俺は判りやすい人間だと思ってるんだがな」
 そうだろ、と相槌を求めるような視線は、どことなく妖艶で。
 けれど、それはいつもと特別変わった表情でも、無くて。
 くすくすとしおらしい仕草で笑って見せながら、同じような色を持つ視線を返してみた。
「うちは、いつでも探ってるよ」
 読めない心の内を、少しでも暴きたくて。
 悠々と微笑むその表情を、ほんの少しでも、崩したくて。
 ――躍起に、なりかけて。我に帰る。
 どうしてそんなに、と。
 今が正にその状態で、ごまかすようにグラスを煽った。
 くく、と喉を鳴らした笑い声が、何だか見透かされているように聞こえてしまう。
「お前は、本当にいつでも面白いことを言うな。俺なんかの心を探って、どうすんだ」
 どう、したいのかなんて、自分にだって判らない。
「さぁ……考えたことは無いわぁ」
 からりと笑って、空になったグラスをテーブルに戻す。
 ごまかすような言葉だけれど、本音だった。
 知ってどうするかなんて、考えたことも無い。ただ、知りたいだけ。
 不思議なものだ。棘に捉われた令嬢様との決別以来、思考の読めない人間は避けてきたはずだったのに。
 不条理に巻き込まれるのは、もう、ごめんだと。
「……判らんなぁ」
 どうしてそんなに。
「ん?」
 知りたいと思うのか。
「んー……なぁんもないよぉ」
 探らなければいけないのは、どうやら自分の心根らしい。
 微笑を笑顔で見つめながら、そんなことを考えていた。




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時を駆けようよその子ごめん第一弾。
命名としてどうよとか聞こえない。←
そして誰とは言わない。
妄想も大概にしろというセルフ突っ込みは既に終わっています。←←
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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です

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