遺跡までの道は、なかなかに遠い。こと、道を埋めるように群れる存在があるともなれば。
とは、言え。
「ほらほら、そんなんじゃどんどん道が開いちゃうわよ♪」
彼らにとっては、進む道よりもその極端な密度が好ましくさえあって。
どこか楽しげに爪を振るったミヤビは、傍らを駆け抜けていく二つの灰色を追いかけるように、スピリットを放つ。
遊んでおいで。促す声に、青く輝いた鷹が、敵星霊術士に真っ直ぐ飛び掛り。
その行く先を追い、空を覆ったのは凍てこごる冷気の嵐。
怜悧な瞳をかすかに眇め、小さく息をつくユーリス。冬空の下、なお冷たい吹雪を舞わせていると言うのに、その吐息が白むことはなく。
群れた人の波は、異様な熱を伴って、胸中をくすぐるようだった。
尾に炎を灯した黒猫と戯れていたキーストアもまた、やる気に乏しい態度をしていながらも、表情にはどこか愉悦が滲んでいるようで。
マリア、と小さく囁いて、目先の剣士を炎に飲み込ませた。
そんな後方の様子をちらりとだけ振り返り、けれど隣を駆けたキルフェがハンマーを抱えた私兵へ無遠慮な蹴りを見舞うのを横目に捕え、視線を前へ戻すアーヴィ。
振りかぶられた大剣へ臆することなく深く踏み込み、握り締めたアスタロトを真横に薙ぐ。
目の前の敵を消す。繰り返し、繰り返し。
彼らにとっては、ただそれが全てだった。
しゃらり――。
敵のバルカンから放たれた炎を反射しして煌く装飾が軽やかな音を立て、舞う。
遺跡の外壁を蹴り、蹴撃を見舞っては跳び上がり。中空を駆けるロゼリアの足元を、業火が埋め尽くした。
きらきら。また、一層の輝きが戦場を踊る。
紅色の唇を薄く舐め、口先でくすぶる炎を押し込むように着物の袖を翳したガルデニアに、スピリットが力を与えた。
主の下へ戻る鷹を目線で追えば、指先で受け止めたトエリカと、目が合って。
けれど何を言うでもなく、彼らはそれぞれに前を向く。
傍らに立った時から、決めていたのだ。
「誰も倒れさせない。本番は、まだ先だものね」
囁く声は誰に告げるでもない独り言。
そして誰に妨げられもしない、決意。
くすりと微笑み、近づく敵を薙ぎ払うと共に呪いの言葉を紡ぎ出せば、ガル、と誘う声が聞こえた気がして。
つぃと視線を泳がせれば、やはり、ロゼリアと視線が合った。
「思いっきり、やっちゃって」
「それじゃぁ遠慮なく」
ウインク一つ飛ばして、傍らに舞い降りた言葉に促されるまま、大きく息を吸い込んで。
再び、視界を業火が埋め尽くした――。
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折角なので自力補完^p^←←←
妄想乙www(全てを台無しにする一言)
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花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋
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