誰かに逢いたいような、誰にも逢いたくないような。
心が冷えるくらいが丁度良いと笑った日も合って。
馬鹿だね、と。誰かが同じ顔で笑ってくれたのをほんの少し思い出して。
懐かしくて、泣きたい。

朝一番に街を覗いて。
知った顔も少し見えることを確かめて、けれどすぐに踵を返した。
うろうろと。何をするでもなくさまよった。
賑やかなら賑やかなほど、物寂しくて。

少し離れて、から。ふと覗いた場所に、朝とは違う、良く知った顔を見つけて。
きっと茶化すつもりで、声をかけた。
けれど思ったより……幸せそうで。そっか。なんて。心の中で呟いた。
もう、余計なお節介は要らないね。触れないよ。君にも彼にも。
いとおしい二人に、願わくば誰よりも大きな幸せがありますように。
そしてそのお裾分けをもらえますように？
好きだったよ。憧れてるよ。いまでもまだ、愛しいよ。

知らない子ともお話して、逢ったことはないけれど、何故だか良く知っているような子と、話して。
直感だったけれど、きっと彼女は良い人なのだろうと思って。
それは彼女にとっては好ましくないのかもしれないと少しだけ笑った。
また、どこかで。逢えれば嬉しい。
できれば誰かさんの居ないところで。

ささやかに雪が降る。降り積もりながら、けれど足元で、指先で、肩の上で、溶かされながら、ただただ降る。
雪色、と囁かれた言葉がなんだかとても耳に付いた。
快活に笑う少女や、かすかにはにかむ少女とは多く逢ったけれど、降る雪のようにささやかに、儚げに笑う少女が、なんだか…気になった。
通りかかる人達が願掛けをしては去っていくのを見届けて、そういえばそんな日だったことを、今更思い出した。
折角だから、一つだけ願い事をした。
中身？勿論内緒。


日が落ちてきてからが本番。
一気に人が増えて、知った顔、知らない顔、懐かしい顔、色々見れて。
色々、話せて。
温かい気分と一緒に、明るい気分も貰った。
リヴァイアサンが恋人。素敵な言葉が俄かに場を盛り上げたのを良く覚えてる。
きょうは、なかずにすみそう。

そんな、一日。
楽しかったよ、ありがとう。