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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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紙に触れる指先が乾いているような感覚は、想定の範囲外のことだった。



+ + + + + + + + + +


「なぁ、あんた」
 目線の先、見つけた後姿に声をかければ、ふわり、長い銀糸が揺れる。
 振り返って、一度。きょろきょろと左右に視線をやってから、もう一度。彼女は、こちらを見つめた。
 ただし一度目はどこか驚いたような装いをしていた瞳も、二度目には当惑を宿した、困ったような装いをしていたけれど。
「えと……私、ですか?」
「……他に誰もいねーだろ。あんたが、自分で確かめたように」
 喉元まで出掛かっていた溜息を飲み込んで、言葉を紡ぐ。名を呼ばない自分が悪いのだろうと思いはしたが、その些細な罪悪感も、結局、改めて呼ぶと言うような行動には直結しない。
 そうですよね、と、指先を目元にやり、髪をかけるような仕草をしながら小さく笑う彼女が、もう一度、俯き気味だった視線でこちらを見やるのを待ってから、ひょい、と、手に握っていたものを投げやった。
「あ、わ……!」
 何かを投げる所作を、見てはいたけれど。きっと、彼女の意識は、それが自分に向けられているとは、認識していなかったのだろう。
 顔の前をくるりと回った物体に対し、慌てたように出した手のひら。焦りを湛えた指先で何度も跳ねるそれを、取りこぼさぬようにとしてか。きゅぅ、と、胸元に抱きかかえるようにして、彼女は受け取った。
 そうして、そろり、確かめるようにして、手のひらに収まっているそれを、見つめた。
「あの…これ、どうして……?」
 棒の付いた、飴。それの持ち主が誰であったかぐらいは、すぐに理解できたようだ。
 ――だからこその疑問であることは、自分自身の性格を加味すれば容易に悟れて。自嘲するように肩を竦めて、笑ってやった。
「あんた、ちょくちょく見てんだろ」
 わざわざ確かめることはしなかったが、薄らと感じていた、視線。指摘すれば、彼女ははっとしたように、小さな声を零し、気まずそうに視線を逸らす。肯定を示す所作だと認識して、喉の奥を鳴らす。
「それでも舐めて、ぼーっとしてろ」
 告げて、踵を返すまでは。ただ自嘲しかなかった。らしくないことをしたものだと、嘲る声がやたらと煩い。
 けれど、それでも。乾いた指先がかさかさと紙を弄る音の方が、煩くて、仕方がなかった。
 ただの参考のつもりで目を通した書類に、意識が、落とされて――。
「……何」
 はっとしたように顔を上げた――つもりで、視線は自然と、下へと落ちていた。
 細い指先が、あまりに儚い力で引き止めるのを、ただ眺めていた。
「あ…ご、ごめんなさ……」
 語尾が、掠れて消える。いや、彼女の中では最後まで紡ぎきっていたつもりなのかもしれないが、詫びられる理由など何一つ思い当たらない耳には、届かない。
 それよりも、ただ、気になった。
 謝りながら、それでも手を離すことをしない彼女が、引き結んだその唇で、何を告げようとしているのかが。
 振り払うことはせず、ただ静観していると、彼女はおずおずと口を開いた。
 困ったように、かすかに強張っていた表情が、それに伴って、わずかに緩む。
「紫色のが、欲しい…な……」
 自分より、ほんの少し高い位置にあるはずの彼女の瞳が、何故だか低く見える。俯きながら、ちらり、窺うように上目で向けられた視線のせいだろうか。
 それとも、彼女のそんな言葉に、心のどこかが中てられたせいか。
 自嘲が、また、笑みを浮かばせる。
 服の端を摘むように掴んでいた指先に触れ、軽く払い。緩く見上げて視線を合わせて。
「次、な」
 突き放せば、彼女は、くすりと笑った。
「約束……ですよ?」
 きっと、守ってくれるんでしょう?
 笑顔に、そう言われているような気がした――。



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よその子ごめん第三弾。難しすぎて挫折った。orz
リプレイ読んでぎゃー!てなって、これは飴で養生してもらうしかないと思い立った結果。
うぅ、よその子の難しさを改めて痛感。MSさんの偉大さをry
しかしマジでキルフェがらしくねぇ。キルフェさえらしくねぇ←
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やられた(*ノノ)
にゃんこたんと何かあったかな?団長さんに笑顔でお帰りなさいかな?
…などと思っていた矢先に不意打ち(*ノノ)
上手く言えませんが、毎回いい文章だなー…と思ってニヨ…拝見させて頂いているんです。

強請ってる…もとい氷解してる!
一方でステシくしゃくしゃしてる!らしくない!←
あ、あれ。プレイングなんて書いたっけ…
お互いどうしたらいいか分からないじりじり感?だったり、「あ」が多い仕様だったり…こちらはうしろのひとの語彙力のなさの所為ですけど(ノ-`)
特徴捉えすぎだと思うんだ…
それにしても、飴頂いておきながら色に拘るなんて何様(。ノノ)
そのうち紫を頂きにあが…ま、まって扉閉めないで(||ノ-`)

と、ともあれ。ありがとうございました。
アーヴィPL 2010/04/08(Thu) 編集
私もやられた(*ノノ)
ちょーかわいいーちょーかわいいーちょーかわいー!
上目遣いとかほんと、いいな…!!いいな!
女の子の女の子らしい仕草とか好きすぎて困る(*ノノ)
不器用で儚げな子ちょー好き!
二人の雰囲気にじれったさにきゅんきゅんしたたまらん。
てゆうか、指先の使い方にゾクゾク来た←←
ごめん、アヴィたんの指先に物凄いむらむら興奮s(ry…(変態)
アヴィたんかわうすぐる…!!(*ノノ)
つーかーまーれーたーいー!
うわん、何も釣る餌がないのが悔しすぎる。
ウチの子の裾つかんでくれそうなのは男の娘位かな…。
よし、男の娘可愛がろう(*´v`*)←
キーストアPL 2010/04/08(Thu) 編集
同じく!!
きゃっきゃっ!

もぅ、机がボコボコです先生!!


いいよね~、こういう細かい仕草!(*^ワ^*)

ごちそうさまです(*ノノ)
私もそのうち飴を貰いに…


おっ!
裾つかんでいいのかな?かな?
行っちゃうよ~(*ノノ)
ミヤビPL 2010/04/08(Thu) 編集
やってやった…?(*ノノ)
アヴィたんPLさん>

ふふり。順番に狙ってます。きっと次は団長。←
出足では誰か判らないようにしてる。一応。不意を打つのが好きです。(ぇー
理由…基口実がね、できたからって言うね、暴挙。(*ノノ)

うわああぁぁ美人さん超難しいんだけどおぉ;;
仕方ないので私の好きな仕草をかっ詰めた。
以前から裾掴むとか紫がどうこう言ってたから、うん、プレイングメールじゃないけどやっちゃった。えへ!←
奴らカバディでもしてるんですかね。じりじり。
次の依頼が帰ってきたらきっとまた放ります。
約束したもん!ってゆってくれればぜったいだよ!
キルフェがドア閉めようとしたら私が後ろから蹴り開けるので大丈夫です←
また書かせてn(黙れ


黒猫PLにゃー>

美人さんかわういよねえぇ!でれでれ
上目遣いは単に私がさせたかっただけ。←
だって萌えるんだもん!女子の恥じらいとか萌えるんだもん!
控えめで一生懸命な感じが出れば良いな、とか、ちょっともそもそした結果。
ははは。私指フェチですのでね!拘る!!キリリッ
へへへ、いーだろー!(小学生返し
つーかにゃんこたんが掴めば良いんじゃないかな。
…軽いセクハラですか?←←


ミヤビたんPLさん>

机ww可愛そうww
ごめ、ちょ、いたわってあげてww

細かい仕草辺りは個人的な好みで大分マニアックになりますすみません。←
欲望には忠実です。いつかマスカレイドになるかも(´・ω・`)←

お嬢ちゃん飴あるよー。おいでおいでー。

行っちゃえ行っちゃえ!
あ、飴持って行けばいいんじゃないかな←
お裾分け(*ノノ)
キルフェPL 2010/04/09(Fri) 編集
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飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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