忍者ブログ
TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
* admin *
[235]  [233]  [232]  [231]  [230]  [229]  [228]  [227]  [224]  [226]  [225
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 不意に響いたノックの音は、いつかの時よりも軽快だった。
 今度はなんだ。
 ――何故だか、いつかの時、これとは違う戸を叩いた少女の姿が、勝手に浮かんだ。

+ + + + + + + + + +
 面倒臭いと口許で呟きながらも体を起こし、戸を開く。
 やや下方に視線をやれば、やはり、居た。
 白毛に赤目の小さな兎。
 大きな赤を携えた顔は、今日は、微笑んで見えた。
「なに」
 そう尋ねられるのを待っていたような……そんな顔で、一層はっきりとした笑みを湛えた少女は、さっと何かを差し出してきた。
「今日お月見だから、お団子作ったの。よかったらどーぞ」
 簡素な器に盛られたのは、小さな手のひらで作ったのだろう、小ぶりなサイズの団子だった。
 それを見つめて、つい、怪訝な顔をしていた。
 別に、少女の行動に奇怪を覚えたわけでも、団子が嫌いなわけでも、なく。
「……月見って、この時期だったか?」
 自分の無知ゆえの単純な疑問だった。
 呟くように尋ねれば、少女はほんの少し目を丸くしてから、ふ、と微笑んで、それから、くすりと笑みを零した。
「この時期、だよ」
「ふぅん……」
 ちらりと振り返った窓から覗く外の景色は、下層らしい仄暗さを孕んでいて、月見、という単語にはいささか不釣合いだった。
 最上層へ行くのも手だが、今からでは手間だ。非常に面倒臭い。
 雨の振る夜のようなものかと、一人で頷いた。
「今日は生憎の天気、っつーとこか」
「だから気分だけでもと思ったんだ」
「へぇ、なるほど。悪くねーな。それなら……」
 来年、また――。
 言いかけて、止めた。らしくない、と、喉の奥でせせら笑う感情が引き止めたのだ。
 もっともだと頷いて、飲み込んだ言葉。妙な間が開いてしまった。
「……まぁ、ありがたく食わせてもらうわ」
 肩を竦めてごまかして、視線を窓から少女に戻す。
 首を傾げているようには見えなかった。思えば自分が唐突に黙るのはそう稀なことでもなかった。
 ……彼女も、そういう認識なのだろう。
 笑顔のまま、ぺこりと頭を下げて。そのまま、立ち去った。
 その背中を見送りながら、団子を一つ摘んで口に運ぶ。
「……来年、か」
 きっと、今までなら思い至らなかっただろう、発想。
 らしくないし、どうかしてると思ったが、今日ぐらい、いいかと、思った。
 口の中に広がる餡子の味は、普段の自分にはない部類の、甘さだったのだから。






-----------------------------------
日にち改ざん^p^←
うさたんお団子ご馳走様。もぐもぐしたよ。
この日は中秋の名月とやらでしたっけ。ラジオで聞いて初めて知ったよ。
ていうか、お月見って10月だと思ってた。←
そうか、9月か……覚えておこうφ(、、*)

……!
そうか、だから月をモチーフにしたプレゼントというわけか!
……という訳か?思いつきで言ったが自信がなくなった←
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可     
BACK HOME NEXT
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

メッセ登録してみました。
出現率は低率の予感ですがお気軽に
mai-maieb@hotmail.co.jp
登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です

ブログ内のイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権はキルフェPLに、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: 独り言と戯言と All Rights Reserved