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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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 ある日、ある時、ある場所で。一人の人間が生まれたそうな。


+ + + + + + + + + +
 ふっくらと柔らかい赤ん坊は薄い色の灰色を携え、ぎゃぁ、ぎゃぁ、と喧しく泣いていた。
 取り囲み、覗き込むのは母と、父と、医者。上に兄弟はおらず、後にも増えることはない。
 やがて泣き疲れたようにひっそりと吐息を落ち着けていく赤子を見やり、微笑ましげに笑う彼らを。赤子はぼんやりと、見上げた。
 薄ら。開かれた瞳は、濃く、暗く、深い、赤。

 まぁ、まるで血の色のよう。

 父が、医者が、ほんの一瞬驚いたように目を剥いた。
 赤子を抱きしめた母は、優しい笑みを零して腕の中を見つめていた。
 瞬き一つもしない瞳を、自らが血のようだと称した色を。
 それから後、赤子は父母の手で大切に育てられた。
 けれど不思議なことに、生まれて間もなく、ただ手のかかるばかりのはずの赤子は、産声を上げて以来、一度も、泣かなかった。
 何かの病気ではあるまいか。心配した父が幾人もの医者に見せて回ったが、誰も、彼も、首を振るだけ。
 赤子はただひたすら健康で。
 極端に、静かなだけだと。
 それでも、父として、やはり我が子のことは心配なのだ。仕事の片手間となることを心苦しく思いながらも、精一杯、その成長に目をやり続けていた。
 母はと、言えば。
 泣かない赤子に疑問を覚えこそすれ、父ほどの不安を覚えてはいなかった。
 医者が健康だと言うのなら平気だろう。手のかからない子なのだと思えばいい。不安がる夫に苦笑しながら囁いて。最後には必ず、こういうのだ。

 私がいつでもこの子の傍に居るわ。

 言葉通り、母はいつでも赤子の傍に居た。一瞬も、片時も、離れることをしなかった。
 そうして、惜しみない愛情の元に、その成長を見守り続けていた。
 こうして、彼ら家族の輪ができた。

 それはどこか、歪な形をしていたけれど。


 後に赤子は幼子と成り、誰の目から見ても健康的な姿を作り上げた。
 不安に満たされていた父も、良く笑い、無邪気に遊び回る我が子にようやく安堵したのだろう。心配事を口にする数も減り、やがてはなくなった。
 母もまた、素直で聞き分けの良い我が子に、あぁやはりこの子はただ単純に大人しい子だったのだと、泣かない赤子の姿をよぎらせながら、笑う。
 家族の輪が、ほんの少しだけ、装いを正したけれど。
 素直で、聞き分けの良い幼子の、血のように赤い瞳は、いつでも何かを窺っていた。

(あぁ、また――)

 幼子に物心がついた、頃。
 彼は何かに吸い寄せられるように、顔を上げた。
 じぃ、と。見つめる視線の先には、自分を産み落とした母の姿がある。
 見つめられている視線に気付いたのか、母は小首を傾げ、どうしたのと微笑みながら少年を振り返った。
 視線を合わせた、一瞬。
 少年の目に飛び込んできたのは、彼女の、エンディングだった。
 ――母は、昔からとても繊細な人だった。
 些細なことで募る精神負荷を、軽減させる術に疎かった。
 今まで、それによって異形へと堕ちることがなかったのは、偏に彼女が恵まれていたからだと言える。
 人の好さが人徳を生み、非常に良い支えと成っていた。
 そんな彼女は、明日の晩、足を運んだ店で性質の悪い酔っ払いの男に絡まれる。
 周りの仲裁によってその場を凌ぎはするが、男はその後もしつこく彼女に付き纏い。
 結果、精神負荷の重なった彼女は男を刃物で刺してしまう――。
 生まれた、瞬間から。度々に垣間見る、彼女の衝動。
 泣き続ける赤子に。
 我侭な幼子に。
 彼女は、愛しいはずのそれさえ己の手にかけてしまう寸前まで、追い込まれる。
 『だから』。
 少年は無意識の防衛本能のうちに泣くのをやめ、母の言葉にただ従った。

「お母さん」

 物事を理解できる脳を持ち、幾つもの言葉を覚えた少年は。

「明日は、どこにも行かないで僕と遊んでよ」

 微笑みの内側で、エンドブレイカーである己を、自覚した。


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よく笑う素直なキルフェww
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飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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