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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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それはそれは『賑やかな』日常を綴ることだろう――。

+ + + + + + + + + +
 白だけが存在する部屋に、設えられたのは全く対比する色の家具。
 ――あったり、なかったりする、存在感の希薄な、黒い、家具。
 各々が暮らす場所よりもずっと、淡白で、それでいながら生活観の滲んだその場所は、表立って顔を合わせることのない人間にとっての、ある意味密会所。
 そうと言いながら、別段何を隠すわけでもないのだけれど。
 気が付いたら知った顔が居る。声をかけるのも、かけないのも、その時々の気分次第。
 何もなくてもやたらと騒ぐ馬鹿が一人、無駄に会話をさせようと画策している、と。キルフェはそう、認識していた。
 そんな空間の中に、珍しく、同じ色が横たわっていた。
 ふかふかしたソファは、狭いというだけで、それを省みなければベッド以上に良い寝心地で。仰向けに寝転んだ男は、肘掛に乗せた頭を抑え、少し険しい顔で眠っていた。
 普段香る、甘い匂いがなかった。普段見る、華やいだ色がなかった。
 彼が宝物だと告げていた、長く、普段は流しているだけの髪は、緩い三つ編みにされていた。
 誰、だろう。知っている顔であることは理解しているのに、そんな感想が過ぎった。
「……今、帰りかい?」
 不意にかけられた声に、ゆっくりと視線を向ければ、額を覆う指の隙間から、金色の瞳が覗いていた。
 弧を描く唇は、薄い。普段、そこを彩っている化粧は、綺麗に落とされていた。
「あんた、誰」
「おや。それは酷い言いようだねぇ。判っているくせに」
 くく、と、喉を鳴らす声は、記憶の中にある。けれどそれは、どこか艶めいた雅やかな口調のはずで。その記憶と、目の前の姿の殆どが一致しないから、判りきった問いかけをしているのだ。
 はぐらかすような切り返しに、むっとした様子を湛えて答えあぐねていると、乾いた調子の笑いが、また、零れる。
「あぁ……うん、そうだ、そうだね……君は、知らないか。うん…知らなくていい。君は、君の知る『彼』だけ理解してればいいよ……」
 独り言のような言葉に、眉根が寄る。
 誰だ、これは。
 自分を含めたほんの一部の人間しか知らない場所に、知らない人間が入り込んだような――内緒で作った秘密基地を大人に見つけられるような、絶望感にも似た不快が、表情を険しくさせた。
 歩み寄って、顔を隠す腕を掴み、覗き込んでやった。確かめた顔は、普段と、装いこそ違っているが、やはり、知った顔だった。
 それと同時に、色素の薄い、蒼白に近い顔に差す、人工的ではない頬の赤みに気が付いた。
「あんた、酔ってんのか……」
「うん。ちょっと、仕事で。なかなか抜けなくて困っているんだ」
 苦笑がちに緩く笑んだ彼は、首を反らして、溜息に似た声を吐き出した。
「あー……全く、どうしてこんな時にくるんだよ」
 掴まれたままの腕とは、逆の腕で。顔を覆い、自嘲気味に笑う。そうして、水、と、小さく呟いた。
 溜息をついて、手を伸ばせば、黒いテーブルの上に置かれた冷たい水に届く。
 渡せば彼は起き上がり、ゆっくりとした所作で飲み干した。
 伏せた瞳。縁取る睫は、化粧をしていなくても十分長い。頬に垂れた髪を掬い、耳にかける所作は、柔らかく女々しい。
 違う、けれど。
 同じでしかないのは、覆しようのない事実なのだ。
 そのどちらが『彼』の本質であるかなど、キルフェにとってはまるで意味のない事柄だ。
「なぁ、あんた」
「うん?」
 見上げてくる瞳を見つめ返して。薄ら、眇める。
「なんて、名前だっけ」
 確かめるような含みを持たせた問いかけは、けれど、言葉のままの意味しか持っていない。
 人の顔と名前を一致させることを放棄してきた数年の癖は、例えばよくよく顔を合わせる人間のものだとて、なかなか記憶に留めようとしてはくれない。
 その例外に辿りついてしまった一部の人間を、一瞬ずつ、ちらりと過ぎらせ、表情は変えずに自嘲する。
 果たして目の前の彼が、その問いに、何を見たのかは知らない。ただ、一瞬だけ、動揺したように瞳を揺らしたのだけは、見つけた。
 直後、くつりと喉を鳴らした彼に、訝るような眼差しをぶつければ。
 道化じみた視線をを返し、彼は握手を求めるかのように、手のひらを差し伸べる。
「クレルというんだ。『初めまして』、キルフェ」
 それは記憶の片隅にもない名前。
 忘れているとか、覚えていないとか、そんな半かなものではなく。間違いなく、聞いたことのない名前。
 それを当たり前のように告げ、さらに重ねた挨拶に、キルフェの表情は露骨に引き攣り、口許の飴が音を立てて砕かれた。
「ははっ……それじゃ、お休み」
 堪りかねたように噴出し、肩を揺らして笑った男は、再び横になり、どうせそれ以上何も言われないだろうと高をくくりつつも、念を押すようにそれ以上の言葉を拒絶して、再び瞳を伏せた。
 それを、睨むような目で、見やり。がりがりと噛み砕いた飴を飲み込み、歪んだ噛み跡を残した棒を放り捨てたキルフェは、いらだたしげに踵を返す。
 『クレルと名乗った、知り合いに良く似た男』は。
 酷く腹の立つ男だということが、良く判った。







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クレルはガルさんの本名。
別に男と女で使い分けてるわけでもないしわける気もない。
けど人前ではあんまり男は見せたくないから別人ってことにしよっかなとかそんな悪戯心。
キルフェさん、拗ねるよ(笑
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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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