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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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棒のついた飴が、散らばっていた。

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 夕暮れ時、薄闇に満たされた、とある、廃屋、その一室。
 部屋の主だろう人間はその場にはいない。
 あるものと言えば、机と椅子とが一つずつと、簡素なベッドが一つだけ。
 棚の類は見当たらず、インテリアに値する家具も見当たらない。
 部屋の隅に真新しい掃除道具が立てかけられていたが、それはこの部屋の持ち物ではなく、たまたま、借りただけのもの。
 必要最低限。それすら補えているかも怪しい、殺風景な部屋。
 古い造りの建物らしく、壁や天井は決して綺麗とは言えず、くすんだ色を纏う。
 部屋全体が褪せた空気を帯びている。そんな、中で。机の上だけは、周囲と違う世界が存在して見えた。
 そこにあるのは真っ白な布。二枚、重ねられるように置かれたそれは、ハンカチやスカーフのような、しつらえられたものではなく、ただ本当に、糸を織り込んだだけの、布。
 かすかな膨らみを見せるそれは、間に何かが置かれている様子をうかがわせたが、静寂が居座るだけの室内では、見て取ることはできなかった。
 ――カタン。
 小さな音がして、窓が開く。
 さぁ、と、吹き込んでくるのは、かすかに煤けた空気。
 ふわり、纏にも似た布が浮かび、ぱさりと床に落ちた。
 現れたのは、色とりどりの、棒付き飴。殺風景で、くすみ褪せた部屋の中で、一種異様な、色の群れ。
 真っ白な布を退いた机の上に転がる飴は、少なくとも、部屋の主と関わった者にとっては馴染みのあるものである。
 あるにはあるが、だとしても――だからこそ、異様であることに変わりはなかった。
 買って来たばかりのものならば瓶や袋などの中に閉じ込められたままのはず。食べる気でいるのなら、常に同じものを蓄えている懐に収められているはず。
 包みを、取り払った状態で。並べるように置かれている意図など、俄かに思い当たるものではないだろう。
 すとん、と。押し開いた隙間に滑り込むようにして部屋に舞い込んだ男は、風に小さく震える窓を後ろ手に閉めて、小さく息をつく。
 そうして、足元に落ちた布を拾い上げると、すぐさま目につく机の上を一瞥する。
 青、黄、黒、紫、緑――統一性のない色を並べた布を、指先でかすかに触れて。
 懐を探ると、同じ種類の、真新しい飴を取り出した。
 かさかさと音を立て、開いたそれを、眺めて。そ、と、添えるように置いて、また、布をかける。

 色とりどりの中に、白が、混ざった。




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赤はない。多分口の中。
結局黒って何味だろう。コーラ?
甘い系でチョコでもいいかもしれないと思った。
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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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出現率は低率の予感ですがお気軽に
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登録時にはメールも一緒に送ってくださると確実です

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