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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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 闘技場の入り口で、言い合い――とも言い切れない、愚痴り合いが、起こっていた。



+ + + + + + + + + +

「だから、あんたはもう少しスピカの使い方考えろっつってんだろが」
「別に誰に迷惑掛ける訳じゃなし、いいじゃん。つーか……だから、なんて言われても、そんな注意された覚えもねえよ」
 会話のはずなのに、それぞれの向いている方向がおかしい。
 傍目にはわざとらしい独り言にしか聞こえないやりとりを、傍らで、困ったような顔をして、それでも笑みを零しながら聞いている者にとっては、普段となんら変わりのない、光景。
 ポケットに手を突っ込んで、肩を竦めた青年は、言い募ってきた男が舌打ちをするのを聞きとめると、くつり、喉を鳴らす。
「あー…それとも、心配とかしちゃってる?」
 にやにやと、からかうような装いを持って紡がれる青年の言葉に。ひくり、と。露骨に表情を歪める男の反応も、もはや、彼らにとっては慣れたもので。
 苛立ちを全開にしていながらも、決して手を出すことをしない結果を知っているからこそ、慌てた様子もなく、ただ、くすくすと微笑ましげに笑うばかり。
「もう、予選敗退だからって、そう拗ねない・の☆」
「別に拗ねちゃいねーよ」
 片足だけで背伸びをして、眉間に皺の寄った男の額を指先で突こうとした少年の手を掴み、払い、男は自分の腕に擦るように手をやった。
 青年の召喚したスピカがとことこと歩き回った、場所。
 気づいて、隣の、少し離れた場所に立っていた女は、気取られぬ程度に眉をひそめ、それでも口許には笑みを残したまま、己の指先を胸元で絡め合わせた。
「バトルロワイヤルの申請、してきたんですね」
「してねえみたいだったしなー…どっちかって言うと、あっちの方が楽しんでるんでね」
「じゃ、今週ももう少しよろしくね♪」
 少年の笑顔にそれぞれが同意を返すと、同時。誰も、何も言うでもなくそれぞれに踵を返した。
 共有する場所を持っていても、彼らの行動は、全く、噛み合わない。
 ほんの少しの気まぐれが生じれば、今日のように、顔を合わせることぐらいはあるけれど。
「あ」
 ぴたり。別れるばかりとなっていた一同の足を止めたのは、思い出したというような青年の、声。
 距離の開いたまま、首だけを振り返らせて、捻くれた笑みを浮かべると。
「心配しなくても、次、スピカ使わねえから。その分、気張れよなー」
「つーか誰が心配してるってんだよ」
「あ…それなら私、癒しの拳活性化……」
「それじゃ、また拗ねちゃうわよ、誰かさんが」
 距離の、開いたまま。
 それでも何を気に留めることなく言葉を交わして。
 そのまま、何を躊躇うこともなく、再び踵を返した。



 背中の気配が全部、なくなるのを確かめてから。キルフェは、盛大な溜息をついた。
 もう一度、先と同じように、自身の腕を擦る。
 傷を癒される感覚を、思い起こすように、瞳を眇めて。そのまま、伏せる。
「慣れねーな……」
 スピカを始めとした、回復を行うアビリティの数々。それを、受ける、その感覚に。
 依頼でも、ギガンティアでも、闘技場、でも。頼る場面は少なくもなく、度々に、感謝ぐらいは、している。
 使い手の余裕が保たれている間、だけ。
 命、というと大袈裟かもしれないが、精神を削ってのそれは、多かれ少なかれ、使用者に負担を強いる。
 別に誰に迷惑をかけるわけでもない。その通りだ。負担を承知の上で、彼らは適宜判断の上使用しているに違いない。
 むしろ感謝されこそすれ、文句を言われる筋合いはあるまい。
 頭での理解は、できているけれど。
 限界、ぎりぎりまで。己を酷使する姿を見せられると、どうしても、感情が優先してしまう。
 いや、優先するほどの感情など、そもそも無い。
 思考も感情も何もかもが希薄になるほどの動揺が湧くのだ。
 どうしていいか判らない。
 ……どうもしなくていいのだろうが。
 ほぅ。今度は、小さく、吐息を零す。
 別れ際の一言に安堵している現実が、なんだか酷く滑稽に思えた。
「あー…くそ……」
 考えるのはやめておいた方がいいらしい。苛々するだけだ。
 勝手にすれば、好きにすれば、それでいい。
 どうぞごじゆうに。
 皮肉を混ぜた台詞を、唇だけで囁いて。
 胸中の苛立ちを押し込めるように、口の中に飴を押し込んだ。





---------------------
罪悪感って言うとなんか違うんだけどなぁ。でもなんかもやもやする。
がっつ有り余ってるギガンティアと活躍補正かかる依頼は気にならないんだけどね、闘技場は本当に底まで言っちゃうから、結構気になるんだよねー。
ま、言いつつわーいわーいて頼っちゃう現実があるわけですがっ(*ノノ)←
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らぶー(*´艸`)
これは2ピンやりましょうかとかいうお誘いですねそうですね←←
直ぐ隣とか言うよりも、一人分くらい距離をあけて他所を向きながらの方が好み。
会話かわいすぎる(*ノノ)
でも、飴っ子と男の娘の額ツンの2ぴんとかもコマ割で見てみたい。見てみたい。
男の娘って複数ピンやりやすいキャラでうらやますい^p^
いいもん。当座アイコンとかでがつがつお星様使ってやるんだから…!

そんで、うん。
うちの子は頑張れよりは、気張れ、のが好き。
大体は気張るっていってる気がするけど、よく気付いたなあ…と、いつもながらに感心。わーわー。
わーいわーい頼ってればいいと思うよ!奴的に闘技場は遊びでしかないからGUTSの減りとかとかあんまり気にしてないんだ。
ただ、結果的に疲れるから、だるだるーってんるけども。
と、思うことにした。えへへ。

あ、あ、あ。
私はクーラーに毛布だから家計の敵ノシ
黒猫PL 2010/07/01(Thu) 編集
(*´∀`)
にぴんやりませう。えへへ。4ぴんでm(ざざーっ
飴と猫は一人分どころか横一列に並んだ端と端でぶつくさ言い合いそう←
おっきい独り言だなぁ(*´v`)
狐子ちゃんともぴんしたいーしたいー。メイドとか髪遊ばれたりとか飴突っ込んだりとか色々思いつくずるい子(*ノノ)
これを雪ん子にもちかけたら変質者かセクハラ魔になるから恐ろしい…!(笑
猫さん、はにかみアイコンとかどうよ。←←私の趣味
とりあえず全身図まだー?←←←

んー?気張れってどっかで言ってなかった?と思って。
私猫さんは頑張れっていうときはすっげ嫌みったらしく、せいぜいがんばればー?みたいなニュアンスで使うと思ってるのー。(人んちの子を何だと
わーん。頼ってはいるよ。頼りにしてる。
口にするのは癪だけどwいつものことww
一桁とかちょぉ気にしちゃうんだじぇー。
ふらふらしてたら手を貸すべきかとかちょっと考えちゃう程度には。
何で娯楽事でこんなやきもきしなきゃいけないんだよくそう全部猫が悪い。みたいな責任転嫁してるんだろう^p^←
と、私も思うことにした。←←

Σきゃー!!!!敵ー!!!!
がおーがおー!(威嚇←
キルフェPL 2010/07/01(Thu) 編集
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飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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