いつまでも鳴りやまない。
煩く、喧しく、けたたましく。
何かを主張するように、何かを掻き消すように。
ただ、ただ、鼓動が繰り返す。
急ぎ足で、繰り返す。

息が苦しい。
だけれど、
だけれど――指折り数えるのは、疲れたよ。

……あの、その、な、あまりまじまじと見られるのは、困るのだが。

あら、何故かしら。

その……いや、この際はっきり言ってくれて、良いんだぞ。

そう？それじゃぁ、お言葉に甘えて。
とても素敵。良く似合っているわ、センテリェオさん

いや、似合って……いる、か？

ええ、とても。
ふふ、貴女の生来の淡い水色に、白。
合わないはずが、無いでしょう？

色は、確かに、そうかもしれないが……

あら…何か不満な点でも？

ぅ…そ、そうじゃなくて……
ど、ドレスなど、ずいぶんと、着ていなかったし……
髪も切ってしまったというのに、こんな、人形のように可愛らしい服を、今更……

似合っていれば、何の問題もないと思うわ。

……にあって、いるだろうか。

ええ。

ほ、ほんとう、に……？

ええ。
ふふ、私がそういう類の嘘が苦手なの、知っているでしょうに。

そ、そう、か……
……ありがとう、クニークルス

どういたしまして？






ちなみにガルさんは折角だからあれもこれも着ればいいと嬉々とし始めて末子を困らせて。
飴さんは馬子にも衣裳とかさらっと言い放って喧嘩になります。
お誕生日に、虹色の口紅を頂いたので、折角だから、女子らしい格好を、と。
想像以上に女子でほかならぬ末子がそわぁってしてるんだよって話。
かわういじゃまいか。全身で着ちゃっても、良いのよ(*´艸｀)
ツバサケイコ候補生さま、ありがとうございましたっ(*ノノ)

白いシャツに、深い青のネクタイ。
　地味な色のパーカーを重ねるには、少し不釣り合いな装いも、気にはせず。
　朝日の眩しさに目を細めながらのんびりと帰路を歩いて。
　緩めたネクタイを抜き取りながら、ラッドシティの郊外に構えた、こじんまりとした屋敷の扉に、手をかける。
　――ふと、気の付いた気配に、振り返った。
「……おかえり」
「……ただいま？」
「何で疑問形なの」
「別に、なんとなく」
　長く隣人付き合いをしていた同居人の顔は、複雑で、何だか居た堪れないような装いをしていた。

で？

……で？

なんて応えるつもりなの。

……さぁ。
あの時はただ、少し、頭にきたから。
どうせなら、って。そう思っただけだけど。

……ふぅん。

……あんたも

うん？

あんたも、死にたいなら勝手に死ねば良いけど。

なに、いきなり酷いね。

面倒だけは、残してくれるなよ。

……ま、それはその時考えるよ。

だから、だいじょうぶ。