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TW3より飴(c05383)と花(c11349)の日記跡地。 現在の主な成分:頭の可哀相な背後。よその子ごめん。仮プレ。飴花の(背後に対する)不満。たまに遊びに来る喪(c08070)と石(c28018)。力関係はPC≧PL。
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……あんた、さっきから何作ってんの。

んー?折り鶴。
キルフェはしたことなぁい?折り紙

あるけど……

たまに、なぁい?したくなること

それは、無い

ふふ、そっか



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知った顔と同じ家に纏まって暮らし始めてから、暫く。
未知の都市国家へ旅立った青色。
アマツカグラの防衛に参加した白と黒。
早々に帰っても誰も居ないのを思い出して。アクスヘイムで仕事をした帰りに、ほんの少しだけ寄り道をした。
誰も居なくて、何もない。瓦礫の山があるだけの場所。
足元に触れた看板には、見覚えがあったけれど。
見る影もなく、知る者も居ないその場所を、故郷と呼ぶには、躊躇った。
せめて身内の生死くらい確かめてくれば良かったのだろうか。
だけれど、まだ、その領域までは、足が向かない。
いきていてほしいような。
しんでいてほしいような。
曖昧な思考は、足を止める。鉛のように、重たく、しがみついて。

「ただいま」

背を向けた道の向こうにあるはずの――あったはずのものに向けて、一言、呟いて。
辿った帰路の果て。4人で住まうには十分すぎる広さを持つ屋敷は、閑散として見えた。

「……ただいま」

誰も居ないのを理解して呟く。
誰も居ないのを理解しているからこそ、呟く。
ぽつりとしたかすかな声さえ響き渡るような静寂を、確かめて。
久しぶりに、一人の時間が長くある事を、何となく、思い出した。
愛想のいい顔。
気さくで親しみやすい態度。
素直で物分りの良い少年。
それが、誰かの――母のための物だと気が付いた時に、ぽかりと穴が開くのを自覚した。
そこから零れてくるものは、薄暗く淀んで、いて。
同じように微笑もうとするたびに、吐き気がした。

穴は、塞がったのだろうか。
それとも、淀みは零れつくしたのだろうか。
どちらとも知れなかったけれど、喉奥から何かがこみあげてくるような感覚は、無くて。
自然かどうかも、知らなかったけれど。
ただ、多分、きっと。
母へ捧げたそれよりも、崩落したあの場所に捧げたそれの方が。
愁い、案じ、労わる。そんな気持ちが伴っていたのだろう。

尋ねて回った事柄。必要な援助の中身を思い起こして、ほんのりと微笑む。
また、行ければ良いと。願って。

――確かめるように頬に触れる。
大丈夫、大丈夫。
浮かべることはできるけれど、張り付いてなんかいない。
確かめて、安堵して、自嘲する。
「薄っぺらいな」
これだから、笑顔ってやつは信用ならない。
みつめて、瞳を数度、ぱちくりと。

……え、なに?

湯たんぽ。

……背中が良い。

どっちでもいいから早くしろ。寒い。

……へんなの。

折角だから、そのまま、ぽふりと腕の中に納まって。
ぼんやりと凭れ掛かれば、思ったより強く、抱きしめられた。

……あったかい。



瓦礫の山を見つめて、けれど呆然とする間もなく、足を踏み入れた。
 肩に、子兎を乗せて、ただ、見知った猫を探して駆けた。



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プロフィール
HN:
飴と花
性別:
男性
自己紹介:
飴:キルフェ。不機嫌なお友達
花:ガルデニア。ピンクの似合うお友達。
喪娘と末子も背後は一緒。
あっち女子部屋、こっち男子部屋

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